「長2度」や「完全5度」。音程を理解したら次に音階を学習していきます。
普段口にする「ドレミファソラシド」はまさに、音階で曲作りの基礎となる考え方です。
まずは、音階とは一体どういった考え方なのか解説していきます。
音階とは
音階とは、ある音から1オクターブ上の同じ音までをひとまとまりとして、間の音をなんらかの規則性に基づいて埋めた音の並び(音列)のことを言います。
例えば、下図のように、C(ド)〜Cまでをどんな音の並びにするかで、様々な音階が生まれます。
(音符の下のローマ数字は、音階の何番目の音かを表しています。)
以下では、代表的な「長音階」と「短音階」を解説します
長音階
長音階は、主音から「長2度・長2度・短2度・長2度・長2度・長2度・短2度」の順に並べた音階です。
Cを主音としたら、「C・D・E・F・G・A・B・C」となりちょうど黒鍵を使わない音階となります。
Dを主音としたら、「D・E・F#・G・A・B・C#・D」です。
上図は1オクターブの音階ですが、上にも下にも同じ並びで音階が並びます。
音の関係
長音階には、それぞれ重要な音があり、それぞれ呼び方が決まっています。
以下の4つは重要な音なので紹介します。
- 音階上の一番目の音(I)を主音と言います。
- 音階上の五番目の音(V)を属音と言います。
- 音階上の四番目の音(IV)を下属音と言います。
- また、音階上の七番目の音(VII)を導音と言います。
主音
主音は、音階の始まりとなる最も重要な音です。
主音はトニックとも呼ばれます。
属音
属音は、主音から5度上の音です。
属音は「ドミナント」とも呼ばれますが、ドミナントには「支配的」という意味があります。
実際、主音に対して支配的な力があり、この音が主音という役割を決定づけているとも言えます。
下属音
下属音は、主音から5度下の音です。
主音と属音、それぞれの働きを補助する役割があります。
また、下属音はサブドミナントとも言います。
導音
導音は、主音の半音下の音です。
主音は音階の中心となる音なので、導音は主音に導かれる働きがあります。
音階の特徴
長音階の音程を見てみると、『長2度・長2度・短2度』と『長2度・長2度・短2度』の同じ音程が連結されてできています。
短音階
短音階は、主音から「長2度・短2度・長2度・長2度・短2度・長2度・長2度」の順に並べた音階です。
正しくは自然短音階と言います。
音の関係
長音階と同様に、主音や属音などの呼び方があります。
以下の3つは重要な音なので紹介します。
- 音階上の一番目の音(I)を主音と言います。
- 音階上の五番目の音(V)を属音と言います。
- 音階上の四番目の音(IV)を下属音と言います。
長音階と違って、導音はありません。
VIIの音はありますが、主音から短2度の関係でないと導音として働かないのです。
和声短音階と旋律短音階
これまで解説していきた短音階(自然短音階)には導音がありません。
長音階同様、短音階で曲を作る際も導音は重要であり必要です。
そのため、導音を作る過程で以下2通りの音階が生まれます。
- 和声短音階
- 旋律的短音階
和声短音階
自然短音階のVIIを半音あげて導音を作り出した音階を和声短音階と言います。
VII→Iの音程が短2度となった分、VI→VIIの音程が増2度になっています。
これまで短2度と長2度だけで形成されていたので、増2度の音程には違和感を抱く方も少なくありません。
旋律短音階
和声短音階で生じるVI→VII感の増2度音程を解消するために、VIを半音あげた音階を旋律短音階と言います。
これによって、短2度と長2度の音程だけの音階となります。
ただ、VIとVIが半音上がっているため、長音階とほとんど変わらない音階になっています。
異なる部分は、長音階に比べIIIが半音低い箇所だけです。
そのため、主音から順次上行で鳴らす場合は、短音階とわかりやすいですが、下行の場合は長音階と全く同じ響きが続きます。
また、下行には導音の必要がないことから、旋律的短音階は、上行の時にVI,VIIを半音あげ、下行の時には自然的短音階を扱います。