冬を題材とした桑田佳祐さんの名バラードであり、オリコン週間ランキングで初週52万枚を売り上げ、1位を獲得した大ヒット曲。
今回はそんな誰もが知るウィンターソングのコード進行について分析していきます!
イントロ
1~4小節目
コード | G→C/G→G→D/F♯→Em7→C→G/B→Am7→Am7/D→D7 |
ディグリ ー表記 | Ⅰ→Ⅳ/Ⅰ→Ⅰ→Ⅴ/Ⅶ→Ⅵm7→Ⅳ→Ⅰ/Ⅲ→Ⅱm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅴ7 |
Ⅳ/ⅠはⅣの完全5度をルートにもってきた第二転回系のオンコード。
Ⅴ/ⅦはⅤの長3度をルートにもってきた第一転回系のオンコード。
Ⅰ→Ⅴ/Ⅶ→Ⅵm7とルートが下降していく進行はJ-POPにおいて非常によく使われるパターンで、美しいコード進行です。
Ⅰ/ⅢはⅠの長3度をルートにもってきた第一転回系のオンコード。
Ⅳから下降する際によく使われます。Ⅲmよりも使いやすいコード。
Ⅱm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅴ7はツーファイブですが、Ⅴ7の前にⅡm7/Ⅴが入ってきています。
この場合のⅡm7/Ⅴは、Ⅴ7へ向かうⅤ7sus4のようにクッションのようなコードとして使われていると解釈できます。
※Am7/Dの構成音は(レ、ソ、ド、ミ)、Ⅴ7sus4の構成音は(レ、ラ、ド、ソ)と、ほぼ同様。
Aメロ
1~4小節目
コード | G→Am7→D7→G→D/F♯→Em7→A7→Am7→Am7/D→D7 |
ディグリ ー表記 | Ⅰ→Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅰ→Ⅴ/Ⅶ→Ⅵm7→Ⅱ7→Ⅱm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅴ7 |
ⅠからⅡm7→Ⅴ7→Ⅰツーファイブワンを経て、Ⅴ/Ⅶ→Ⅵm7と下降。
次のⅡ7はセカンダリードミナント。Ⅴ7に向かうドミナントの為、ダブルドミナントとも呼ばれます。
Ⅵm7→Ⅱ7→Ⅱm7からⅤ7へ行く流れはポップスにおいてよく使われる進行で、いきものがかりの「ありがとう」のサビでも聴くことができます。
Ⅵm7→Ⅱ7というツーファイブの動きを挟んでからⅡm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅴ7と進む、美しい進行になっています。
Bメロ
1~4小節目
コード | Bm7→Em7→Am7→D7→Bm7→Em7→FM7→Am7/D→D7 |
ディグリ ー表記 | Ⅲm7→Ⅵm7→Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅲm7→Ⅵm7→♭ⅦM7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅴ7 |
Ⅲm7→Ⅵm7→Ⅱm7→Ⅴ7は定番の3-6-2-5進行。
Ⅲm7→Ⅵm7、Ⅱm7→Ⅴ7ともにルートが完全四度進行しているため、非常に強い進行感のあるコード進行です。
3小節目はⅢm7→Ⅵm7と来るので1・2小節目と同じ流れを思わせますが、4小節目は♭ⅦM7というコードが鳴っています。
この♭ⅦM7はモーダルインターチェンジによって同主短調から借用したコードであると解釈できます。
サビ
1~4小節目
コード | CM7→Bm7→E7→Am7→Am7/D→D7→G→G7 |
ディグリ ー表記 | ⅣM7→Ⅲm7→Ⅵ7→Ⅱm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅴ7→Ⅰ→Ⅰ7 |
ⅣM7から入り、Ⅲm7からⅥ7のツーファイブ的な流れ。
Ⅵ7はⅡm7へ向かうセカンダリードミナントコード。本来は平行短調のトニックであるⅥがセブンスコードになることによって、明るく聴こえます。
ツーファイブを経てⅠ→Ⅰ7。
Ⅰ7はⅣへ向かうセカンダリードミナントであり、5小節目のⅣM7へとスムーズに繋がっていきます。
Ⅰ→Ⅰ7→Ⅳの流れはポップスにおいてよく使われる進行で、Official髭男dismの「115万キロのフィルム」のCメロ前の2小節でも聴くことができます。
映画『思い、思われ、ふり、ふられ』の主題歌にもなったofficial髭男dismの一曲、「115万キロのフィルム」。今回はこの楽曲の分析をしていきましょう。 曲の意味を探っていくことで作曲者の意図や、細部ま[…]
5~9小節目
コード | CM7→Bm7→E7→Am7→Am7/D→D7→E♭M7→F→G |
ディグリ ー表記 | ⅣM7→Ⅲm7→Ⅵ7→Ⅱm7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅴ7→♭ⅥM7→♭Ⅶ→Ⅰ |
♭ⅥM7→♭Ⅶはどちらもモーダルインターチェンジによって同主短調から借用したコード。
♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰという流れはポップスにおいてよく使われる進行で、Mr.Childrenの「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」でも聴くことができます。