『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』主題歌に決定したofficial髭男dismのニューシングル「Universe」
リズミカルなピアノのイントロから一気に引き込まれてしまう楽曲ですね!
今回はこの曲を分析していきましょう!
例えば、サビの歌詞「0点のままの」はのび太君がモデルなのかもしれません。
Bメロでは「伸びた影見つめ」とありますが、「伸びた」が目立つメロディーの作りをしているような…
根拠は1㎜もありません(笑)
*2021年5月更新
本人曰く、そういった意図はなかったそうです…
全体を通して
ミドルテンポの曲で、100いかないBPMから主人公が歩いているような速度感を感じることができます。
同時に、曲の前のめりのグルーブ感から、「スキップしながら、前に進んでいくような。」雰囲気を感じました。
この曲のグルーブ感の肝は1曲を通して頻繁に出てくる16分のキメ。
これがアクセントとなり、曲に大きな動きを与えています。
Aメロ進行(主体となるコード)
Aメロには、イントロと同じコードが使われています。
このコード進行がこの曲全体の肝となるので確認していきましょう。
(イントロ、Aメロ、サビがほぼ同進行)
一見よくある進行で、髭男dismさんもよく自曲に利用しています。
ただ、特徴的なのは、B♭m7からのベースの下降。
中でも注目はA♭→G→G♭へと半音で下っていく箇所。
D♭のキーではG(ソ)は使いにくい音ですが、あえて差し込むことで、ベースラインが半音階進行を行うようになっています。
本来コードはA♭m7(Ⅱ)→D♭7(Ⅴ)→G♭(Ⅰ)、トゥーファイブワン進行を意識していますが、D♭の部分が「D♭7/G」に。
通常のトゥーファイブワン。よくある進行のベースラインだけ変わっているもの。
【関連記事】ツーファイブワンとは?作曲の場面では同アレンジできる?
Bメロのマイナー感
マイナーキーへの転調
イントロ、Aメロから一転。
Bメロは暗い雰囲気を感じられるセクションとなります。
基本D♭のメジャーキーで進行していく曲ですが、ここは並行長であるB♭mキーに転調しているとも考えられます。
(D♭メジャーキーと同じ構成音を持つのがB♭mキー)
コード進行
この部分も定番のコード進行で構成されています。
G♭(Ⅳ)→F7(Ⅲ7)→B♭m(Ⅵm)
『Ⅳ→Ⅲ7→Ⅵm』という動きはjpopでは頻繁に使われていてコード進行で、髭男の楽曲にも多用されています。
例えばpretenderのBメロ。
キーこそ違いますが、やっていることは同じ。そのキーで同じような役割をもつコードが使われています。
その後もコードも特徴的ですね。
A♭→G→G♭の動きはAメロでも使われていますね。変化もつけつつ、ある程度の曲の一貫性を保つことも重要であることがわかります。
サビ 一瞬の不安感の煽り
サビもほとんどイントロAメロと変わらないコード進行ですが、最後だけ違ったコードが出てきます。
9小節目「涙とミステイク」の部分のコードを見てみましょう
B♭の音から半音階で下降する進行をしていきます。明るい曲の中に一瞬の不安感が出現します。そして、その後のキメの衝撃で一気に明るく前向きな曲に戻ります。
まとめ
さすがofficial髭男dismと言える楽曲でしたね。
細かいところも音楽的に作りこまれていて、なおかつ作詞のセンスも光る一曲でした。
今回はコードの進行などを軸に分析を行ってきました。
けれど、この曲の奥深さはそれだけでは語り切れません。
さわやかなブラスも、力強い伸びるボーカルも、グルーヴィーなリズムもこの曲を構成する一つ一つの要素です。
今一度Universを聴いてみましょう。