2025年11月、SteinbergからCubase 15がリリースされました！
音楽制作ソフトウェアの世界で長年支持されてきた Cubase シリーズの最新バージョンで、最先端のAI技術も活用され、より効率的で、創造的な制作を実現できます。
本記事では、公式情報に基づいて特長や価格、無料トライアル、アップデート／アップグレード情報を網羅的に解説します。
Cubase 15 の新機能
公式の「New in 15」ページによると、Cubase 15 では音楽制作のインスピレーションを高め、ワークフローを効率化するための多くの機能が追加・改善されています。代表的なものを以下にまとめます。
メロディ作成を支援する Pattern Sequencer
新しい Pattern Sequencer は、モノフォニック／ポリフォニック両モードに対応したメロディックパターン作成ツールです。ステップ入力、カスタムスケール、シェイプ生成、ランダマイズ機能などが統合されており、パターンエディター内で表現豊かなメロディを手早く組み立てられます。
エクスプレッションマップの刷新
奏法切り替えを管理する Expression Maps システムも刷新されました。
各アーティキュレーションごとにアタック補正を設定でき、Key Editor と Score Editor との統合も深まり、設定や管理がより合理化されています。
AI ステム分離
AI を活用した Stem Separation 機能により、ミックスされたオーディオからボーカルやドラム、ベースなどを自動で分離できます。リミックスやサンプリング、バランス調整に活用でき、2 Mix から個別パートを抽出する作業が簡単になります。
オートメーションの効率化
「最後に触ったパラメーター」を自動で表示し優先的に編集できる新しいオートメーションショートカットにより、調整作業が高速化されました。ミキシング時に多用するオートメーション作業をより快適に行えます。
新しいハブ画面
プロジェクトの新規作成やテンプレート選択を行う Hub 画面が再設計され、リサイズ可能なセクションやオーディオ設定、プロジェクトプレビュー、検索・フィルター機能などが統合されました。起動直後に必要な設定や情報にすぐアクセスできます。
Writing Room Synths
ハリウッドやストックホルムなど世界の名だたるソングライティングルームで録音されたヴィンテージ・シンセ音源が収録された Writing Room Synths ライブラリが追加されました。リードやベース、パッドなどプロダクション向けのサウンドを簡単に呼び出せます。
新しいモジュレーター
従来のモジュレーション・システムに加え、Random Generator、Sample & Hold、Wavefold LFO など 6 種類の新しいモジュレーターが追加されました。これにより、プラグインや DAW 内のパラメーターをより自由にモジュレートして独創的なサウンドデザインが行えます。
UltraShaper と Pitch Shifter
新しい UltraShaper プラグインは、トランジェントシェーピング、クリップリミッター、EQ を備えたダイナミクス処理ツールで、サウンドを磨き上げるのに役立ちます。また Pitch Shifter プラグインは、フォルマント維持・サチュレーション・ステレオアンリンク機能を備え ±24 半音の広い範囲でリアルタイムにピッチを変更できます。
その他の新要素
- 40 種類の新しいドラムキットや、ジャンル別のループやサンプルパック。
- ジャズやポップなど多様なジャンルに対応した 30 種類の新しいコードパッドプリセット。
- Yamaha 技術を用いたボーカルシンセプラグイン OMNIVOcal (Beta)。
- macOS ネイティブのフルスクリーンモード対応や新しい Score Editor、トラックエリアにボリュームとパンを直接表示できるコントロール追加、DAWproject 形式への対応など、多くのワークフロー改善。
- 新しいパターンプリセットや Groove Agent SE 6 のリニューアル、Sampler Track の Hot Swap など多くのサウンド＆プラグイン更新。
得に、OMNIVOcal (Beta)。非常に便利です。
cubase上で簡単に歌声合成ができて、高速で仮音源の作成ができます。
エディション別の特徴と価格
Cubase 15 には Pro / Artist / Elements の3エディションが用意されています。ここではそれぞれの機能特徴と、通常価格、そして既存ユーザー向けのアップデート／アップグレード価格を整理して紹介します。
エディション別の主な特徴と通常価格
| エディション | 主な特徴 | 通常価格（税込） |
|---|---|---|
| Cubase Pro 15 | ハリウッド作曲家やプロデューサーも愛用するフル機能版。 Dolby Atmos 対応、先進的な MIDI 編集、AI ステム分離、モジュレーションシステム、Spectral Comparison EQ など、あらゆる制作工程をカバー。 | ¥69,300 |
| Cubase Artist 15 | 創作志向のミュージシャン向け。 VariAudio ピッチ補正、マルチトラック AudioWarp、Retrologue・Padshop・Verve・Trip 音源を収録。Pattern Sequencer や Drum Track も搭載。 | ¥39,600 |
| Cubase Elements 15 | 入門者・学生向けのコンパクト版。 Chord Pads、Scale Assistant、Groove Agent SE、HALion Sonic、20GB 以上のサウンド素材を収録し、手軽に作曲を始められる。 | ¥13,200 |
アップデート価格（旧バージョンから同エディションへの更新）
旧バージョンをお持ちのユーザーは、同じエディションの最新版（例：Cubase Pro 12 → Cubase Pro 15）へお得にアップデートできます。価格は旧バージョンの世代により変動します。
| 対象エディション | 主なアップデート内容 | 参考価格（税込） | 対象バージョン |
|---|---|---|---|
| Cubase Pro 15 | AI ステム分離、Pattern Sequencer、UltraShaper など新機能追加 | ¥13,200〜¥22,000 | Pro 12 / 13 / 14 からの更新 |
| Cubase Artist 15 | 新しいオートメーション、Writing Room Synths、Hub 改良など | ¥9,900〜¥15,400 | Artist 12 / 13 / 14 からの更新 |
| Cubase Elements 15 | Chord Pads プリセット追加、サンプルホットスワップ対応など | ¥3,630〜¥6,050 | Elements 12 / 13 / 14 からの更新 |
アップグレード価格（下位エディションから上位版へ）
機能拡張を希望する場合は、下位エディションから上位版へのアップグレードも可能です。こちらも保有バージョンにより価格が異なります。
| アップグレード元 → 先 | 追加される主な機能 | 参考価格（税込） | 対象バージョン |
|---|---|---|---|
| Elements → Artist 15 | VariAudio、マルチトラック AudioWarp、Retrologue などプロ向け音源群 | ¥22,000〜¥31,350 | Elements 12 / 13 / 14 から |
| Artist → Pro 15 | Dolby Atmos、Spectral EQ、プロ仕様ミキシング・マスタリングツール | ¥31,350〜¥39,600 | Artist 12 / 13 / 14 から |
| Elements → Pro 15 | フルセットへの統合。AI 機能や高度なルーティングも解禁 | ¥44,000〜¥49,500 | Elements 12 / 13 / 14 から |
※すべてのアップデート／アップグレードは、Steinberg 公式ストアまたは国内正規販売代理店経由で購入できます。
MySteinberg アカウントを通じて自動的にライセンスが更新されます。
教育機関向け（アカデミック版）も用意されており、学生・教師は最大約30％オフで購入可能です。
購入時には学生証や在職証明などの資格証明が必要です。
無料トライアル (60 日間)
初めて Cubase を試す方のために、Steinberg は 60 日間の無料トライアル を提供しています。
Cubase Pro 15 または Cubase Elements 15 を試用でき、Steinberg アカウントでログインまたは新規登録することで開始できます。
期間中は全機能を利用できるため、購入前に自分の制作スタイルに合うかどうか確認できるのが魅力です。
まとめ：Cubase 15 の魅力と今後の展望
Cubase 15 は、従来の安定した音質や豊富なプラグイン群に加えて、AI ステム分離やメロディックパターンシーケンサー、OmniVocal Beta など革新的な機能が多数追加され、クリエイターの創造性を最大限に引き出してくれるバージョンです。新しいハブやオートメーションの改善により日常の作業効率も向上しており、初めて Cubase を導入する人にも既存ユーザーのアップグレードにもおすすめできます。
価格はエディションごとに異なり、入門者は Elements、より本格的な制作を求めるなら Artist、プロフェッショナルな作業環境が必要なら Pro という選択肢があります。さらに 60 日間の無料トライアルが用意されているので、まずは体験版で新機能やワークフローを試してみるのが良いでしょう。
本記事が Cubase 15 の魅力を理解する手助けとなり、あなたの音楽制作の世界を広げるきっかけになれば幸いです。
