【恋のスーパーボール/aiko】コード進行と分析

カルピスウォーターのCMソングに使われた恋のスーパーボール。

体が自然と弾むダンスビートに可愛らしい歌詞が印象に残ります。

今回もコード進行を軸に、この楽曲を深掘だていきましょう。

ここからの内容は、er-music編集部の独自の見解になります。 読者様との解釈に相違がある場合も、考え方の一例、娯楽の一環としてご覧ください。 また、ダイアトニックコードの理解があるとより楽しめるかと思います。 >>ダイアトニックコードについて

全体を通して

ディスコチックなダンスビートに、ドラマチックなストリングスが特徴的な一曲です。

サビだけ切り取ると、ストーリー性の強い複雑なコード進行ではなく、単純に4小節で循環するコード進行になっています。

えるるん
Ⅱm7→Ⅴ→Ⅲm7→Ⅵm7は逆循環コードなんて言ったりするよ!

イントロ

イントロ

どうやらこの楽曲の土台は『Bm7→E→C#m7→F#m7』の進行のようです。サビでもこの進行が見られますね。

1〜4小節目

『Bm7→E→C#m7→F#m7』をトニックから見た度数関係で表すと、『Ⅱm7→Ⅴ→Ⅲm7→Ⅵm7』となります。

えるるん
王道進行に近いね!
王道進行(『Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm』)の最初のサブドミナントが代理コードのⅡm7になった形であることがわかります。
この部分の解釈
この進行は、ディスコミュージックとしても有名『September/アースウィンドアンドファイア』のサビと同じ進行をしています。
ディスコというテーマの中で、古きに習うようにしてるのかも知れません。
いずれもこうした循環したコード進行と、4つ打ちのビートが大切になってきます。

Aメロ

イントロMusical score

Aメロは基本、ⅣM7のDM7から下降していく流れです。

その中で7小節目にノンダイアトニックコード が見られますね。

7小節目(B♭M7)

『♭ⅡM7』が入ることによって、ベース音としても半音の響きが形成されています。

『♭ⅡM7』はサブドミナントマイナーの代理コードとして用いられることがあります。

サブドミナントマイナーⅣmから構成音がほど近い、Ⅱm7-5のベース音がさらに半音下がった形です。

単純に半音上の同じコードからアプローチしているともいえますが、サブドミナントマイナーな響きが強くメロディーにも影響を与えているので、サブドミナントマイナーとして使われていると解釈しました。

 

Bメロ

Bメロ楽譜

1小節目(Dm)

Dm(Ⅳm)は、サブドミナントマイナーです。

えるるん
Aメロでは、このコードの代理コードとしてB♭M7が出てきたね!

同主調のマイナーキー由来のコードのため、いつものⅣに比べて暗い響きが感じられます。

3〜4小節目(C#7→F#m7)

ここまでC#m7だったコードが、ここではドミナントコード(C#7)となっています。

このコードは、次のF#m7を一時的なトニックと見立てドミナントコードに変換されたもので、セカンダリードミナントといいます。

8小節目(C#7)

先程も出てきたC#7ですが、ここでは次にF#m7へと進行しません。

この場合でも、同様にセカンダリードミナントとして解釈できます。

「ドミナントだけど、トニックに解決しなかった」ので、偽終止であることが分かります。

サビ

さび楽譜

ほとんど、イントロと同様のseptember進行です。

6小節目(D/E)

サビの終わりですので、単純にドミナントのEに行ってもいいように感じますが、あえてD/Eとされています。

D/E(Ⅳ/Ⅴ)はポップスでもよく使われるアレンジで、上はDと表現されていますが、E7sus4にちかい構成音となるため、ドミナントの代理として使われることがあります。

単純なドミナントセブンス(E7)に比べて強い解決がないため、個人的には「クールに終わる」ように感じます。

えるるん
お洒落な楽曲で頻繁に使われるイメージ!例えばofficial髭男dismの曲にはこのパターのコードがよく使われているよ!

まとめ

ディスコの雰囲気とミドルなテンポに心も体も踊らされる一曲でした。

今回解説はしていませんが、間奏部分は特にストリングスに迫力があり、ドラマチックな展開となっていました。

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