コード進行を中心に、作曲の背景を紐解いていきましょう。
イントロ
ギターフレーズが印象的な爽やかなイントロです。
1~2小節目【C→G→Am】
『C(トニック)』から始まるコード進行ですので、明るさがあります。
ただし、暗さを感じる『Am』で終わるコード進行ですので、盛り上がりはなく、徐々に落ち着いていく印象です。
7小節目【F】
これまで2小節一塊のコード進行で、Amで終わるものでした。
ここではさらに『F』へ進んでいます。
Amに比べると明るく響く『F』は、Cメジャーキーのサブドミナントという役割を担いますので、この先の展開を期待させる様な着地感のないコードです。
8小節目【F→G】
『F→G』と進行することで、次に『C』へ進む期待感が生まれます。
Aメロ
1〜4小節目【C→Dm→G→Am】
『C』から始まる明るい進行で、次に『Dm』へと一音上へ進むことで高揚感を感じます。
次の『Dm』から『G』への進行には、その先に『C』へと進む期待感が感じられますが、ここは予想に反して『Am』に進みます。
『C』と『Am』は構成音が近しいため、似た役割を担っており、どちらも安定感や落ち着きが感じられます。
コード | 構成音 |
---|---|
C | C,E,G |
Am | A,C,E |
CとAmの役割が似ているとはいえ、Cに比べるとAmは暗く響きます。
ここでは、さっきまでの高揚感が盛り下がった様な、少し憂鬱な雰囲気が感じられます。
7〜8小節目【D→G】
『D』はノンダイアトニックコードです。
このコードは、次の『G』を一時的なトニックと見立ててドミナントコードに変えたもので、セカンダリードミナントと言います。
- チェック:セカンダリードミナントとは?
- セカンダリードミナントは、ダイアトニックコード一番目のコードであるトニック(『I』あるいは『Im』)以外のダイアトニックコードを一時的なトニックと見立てて、その5度上のコードをドミナントコードに変化させたものです。 ▷セカンダリードミナントについて詳しくはこちら
Dは「ドミナントに対するドミナント」とも言えるから、ダブルドミナントとも呼んだりするよ!
Bメロ
1~4小節目【Am7→FM7】
この部分は、暗い雰囲気が漂っています。
『Am7』から始まる進行であることもそうですが、メロディーも下がり貴重で、どんよりとした印象があります。
5~8小節目【Dm7→C/E→FM7→G】
1〜4小節目に感じたどんよりとした雰囲気を跳ね除ける様な、高揚感を感じる進行です。
『C/E』が混じっていますが、要は『Dm7』が上行していく進行です。
Dm7からGへたどり着くことで、より『C』に進む期待感が生まれます。
サビ
1~2小節【C→G→Am】
イントロでも見られた進行で、明るくも、盛り上がりは限定的で落ち着いた進行です。
3〜4小節目【F→G→C】
1〜2小節目とは対照的に、素直に明るい進行です。
この部分の解釈
1〜4小節目の進行は、奇数小節が2つのコード、偶数小節は1つのコードでできています。
そのため偶数小節ごとにひと段落した様な落ち着きが生まれます。スムーズさを感じるコード進行ではありませんが、何か振り切った様な快活さや力強さを感じました。
5〜6小節目【F→G→Em7→Am7】
1〜4小節とは違ってスムーズで、スピーディーにも感じるコード進行です。
この進行は王道進行とも言われる進行で、少し憂いを感じさせます。
7〜8小節目【D7→G】
『D7』は、『G』を一時的なトニックと捉えたセカンダリードミナントです。
Aメロでも出てきましたね。
5〜6小節目の憂いを振り払う様な明るさがあります。
メロディーも上行貴重で、明るい様がより伝わります。
この部分の解釈
ノンダイアトニックコードは、本来のCメジャーの世界観に収まらないため、地に足つかない様な浮遊感があります。
ここまでの、穏やかさだったり、少し憂鬱な様子を跳ね除ける様な、楽観的な明るさを感じます。