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【元気を出して/竹内まりや】コード進行と分析

今回は、竹内まりやの『元気を出して』をコード進行中心に分析していきます。

失恋で心を痛めている女性を励ます曲で、優しく包み込んでくれるような愛さえ感じます。

なんとも「包容力のある曲」ですね。

ここからの内容は、er-music編集部の独自の見解になります。 読者様との解釈に相違がある場合も、考え方の一例、また娯楽の一環としてご覧ください。 また、ダイアトニックコードの理解があるとより楽しめるかと思います。 >>ダイアトニックコードについて

全体を通して

この曲の情報

作詞/作曲:竹内まりや
編曲:椎名和夫

キー:C

BPM:91

発売:1984年2月14日

アコースティックギターの音色が暖かく心地いい一曲です。

ワンコーラスの中でも、部分転調する箇所が2回見られます。穏やかで、平坦な曲かと思いきや、非常に緊張感のあるアプローチを上手く溶け込ませています。

えるるん
緊張感のある部分転調から元のキーに解決した時の強い安心感が希望感を高めてる。励ましの力も強まるように感じたよ!

イントロ

イントロ楽譜

1〜2小節目【CM7 – FM7 – G – Am】

非常に安定的で明るいコード進行です。

C(トニック)→F(サブドミナント)→G(ドミナント)

の動きは、次にCへと進むことを自然と意識させます。そのために明るく感じるコード進行なのです。

実際、ここではAmへ進みますが、4小節目でCM7に解決します。

えるるん
CM7への解決を遅らせることで、物語の深みや奥行きが増したように感じたよ!

3〜4小節目【FM7 – F/G | CM7 – Dm7/G -G7】

F/G

『F/G』は、Fに近いため同様にサブドミナントと考えることができますが、ドミナントの代理として用いられることもあります。

F/Gを言い換えると、G7sus4(omit5)とも表現できます。

Cへとドミナントモーションをするセブンス系こコードであることがわかります。

前がF(サブドミナント)、後がC(トニック)なので、ここはドミナントと考えていいでしょう。

Dm7/G

『F→F/G→C』の進行よりも解決感が増し、一つのセクション(イントロ)が終わることがイメージできます。

この部分の解釈
『Dm7/G』も、G7sus4と言い換えるとことができます。先ほどよりも、Gからみた5度(D)が加わり、よりドミナントらしくなります。

Aメロ

楽譜Aメロ

2小節目【G/B】

ドミナントであるGの第一転回系です。

ルートをBにする事で、C→B→Aというベースラインのスムーズな動きになっています。

3小節目【Am7→D7】

D7はセカンダリードミナントで、4小節目のGを一時的なトニックと見立てドミナントコードにしたものです。

キーCのドミナントである、Gに対するドミナントなので、ダブルドミナント(ドッペルドミナント)と呼ばれたりします。

えるるん
CメジャーのドミナントGへのドミナントは明るい響きがするね!
セカンダリードミナントのように、本来のトニックではない音を、一時的にトニックと見立てることをトニシゼーションと言います。

6小節目【E7→Am】

E7は、セカンダリードミナント。Amを一時的なトニック見立てドミナント化されたものです。

Bメロ(B♭キーへ転部分調)

楽譜B

1〜4小節目【E♭M7 〜】

3〜4小節目(Cm7→F7→B♭M7)の進行を見ると、この部分はB♭キーに部分転調しているようです。

えるるん
メロディーに使われているスケールを見てもB♭キーだね!
であると、ディグリー表記は画像の通りで、E♭M7はⅣ(サブドミナント)のコードになります。
『G7』は、B♭キーのダイアトニックコードⅥmではなく、セブンスコードです。この先Cmへと進むためセカンダリードミナントと解釈できます。

4〜5小節目【Bm7-5→E7→Am7】

『Bm7-5』は、キーCのダイアトニックコードです。『Bm7→E7→Am』とマイナーツーファイブの動きをとりキーC(Am)へと戻ります。

B♭M7のベースを半音上げるとBm7-5と同じ構成音になります。

B♭M7からBm7-5への侵攻が意外にもスムーズな理由です。

6小節目【D7】

このコードは、Aメロでも見られたG7に対するセカンダリードミナント(ダブルドミナント)です。

この部分の解釈
『Bm7-E7-Am』のマイナーツーファイブワンで元のキーに回帰したため、Cの平行短調であるAmの雰囲気が強まっています。
そこにD7が入ることで、一気にキーCをイメージできる明るい参考となっています。

7〜8小節目【F/G→G】

Aメロでは「F/G』をドミナントなら代わりと表現しましたが、ベース音以外Fなので、サブドミナントとも言えます。

このあと、Gに進むのでこのコードはサブドミナントに値するでしょう。

『サブドミナント→ドミナント→トニック』と解決する進行です。

えるるん
尺も長くて明るくて…転調で際立った緊張感に対して、「やっと落ち着くん」と感じさせるね。

Aメロ

楽譜

Aメロと同じメロディー、ほとんど同じ進行なので、同じくAセクションとします。

7小節目【F#m7-5→FM7/G】

最初のAセクションと違う点が、このコード。

本来D7(ダブルドミナント)となっていた箇所が、『F#m7-5』となっています。

Cから見た、#Ⅳm7-5は様々な解釈ができますが、もともとD7だったところを考えると、D7の代理として使われているコードとするのが妥当でしょう。

F#m7-5とD7の構成音はほとんど同じなので、いずれもG7へ進む力が一定あります。

コード 構成音
D7 D,F#.A,C
F#m7-5 F#,A,C,E

次の『FM7/G』は、F/Gよりもドミナント感が弱く、Cへの解決感が薄まります。

この部分の解釈
このセクションから次はCメロへと移行していきます。
F#m-5もそうですが、D7に比べればGは進む力は弱く、また、FM7/GはCへの解決感が弱くなっています。
このセクションが終わる段階で、曲が終わるような安堵感・落ち着きを与えないためにあえて解決感を薄めているように感じます。
ここで満足せず、次のCメロへの期待感が高まります。

Cメロ(同主短調への部分転調)

楽譜

1〜2小節目

この部分だけ切り取るとⅣ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵmの王道進行となっています。

ただし、1小節2拍目『G/F』。ベースをFで留めているかたちです。

えるるん
Mr.childrenのHANABIのサビとか、メロディーをより聞かせたい時に使われるイメージ!

4小節目

ここは、5小節目のFへとツーファイブワンのモーションをとっています。

Gm7/CがリレイテッドⅡm、C7がセカンダリードミナントです。

この進行が部分転調のきっかけとなります。

5〜6小節目

メロディーがA♭へ行くこと。そして、E♭M7へツーファイブワンのモーションをしていることから、一時的にE♭(Cm)キーへ転調していることがわかります。

この部分の解釈
転調の緊張感に加え、1小節目の落ち着いたメロディーよりも、5小節目は上昇のメロディーから始まります。
上昇のメロディーもまた緊張があるため、5小節目は際立って雰囲気がかわり、また高揚感を感じます。

7小節目【Dm7】

『Dm7』を起点にキーCの世界に戻ります。

まとめ

Aメロが楽曲の中心となる特殊な構成でした。Aメロが素晴らしいメロディーに歌詞、コードであるから成立しているのでしょう。

また、サビというサビがなく緩急は少ないですが、部分転調をうまく用いて緊張感と安心感を演出しています。

緊張感が不安定な進行から、安定したコードへと戻った時の安堵感。そして心地よい落ち着きが、目線を合わせ慰める優しさを感じさせます。

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