【ハッピーエンド/back number】コード進行と分析

ここからの内容は、er-music編集部の独自の見解になります。 読者様との解釈に相違がある場合も、考え方の一例、また娯楽の一環としてご覧ください。 また、ダイアトニックコードの理解があるとより楽しめるかと思います。 >>ダイアトニックコードについて

全体を通して

この曲の基本情報

  • 作詞/作曲:清水依与吏
  • 編曲:小林武史
  • キー:A
  • BPM:77
  • 発売:2016年11月16日

スローテンポでどっしりとした曲調です。
全体的に暗い様な、不安になる様な雰囲気が漂っていますが、サビの終わりをみると『A』をトニックとするAメジャーキーの楽曲であることが分かります。

そのため、暗いながらも希望的な様子も感じられます。
「明るい中の暗さ」や「暗い中の明るさ」に切なさを感じ、エモーショナルな気持ちになります。

イントロ

イントロ楽譜

ストリングスの活躍もあり、奥行きがあって壮大さを感じます。
前半3小節は、暗い雰囲気を感じますが、4小節目のB7を境に雰囲気が切り替わり、Aメジャーキーらしい明るさを取り戻していきます。

イントロ一つとっても、ドラマチックなストーリー性を感じます。

2~3小節目【C#7→C#7/F→F#m7】

『C#7』は、Dメジャーキーのダイアトニックコードに含まれないノンダイアトニックコードです。
F#m7を一時的なトニックと見立てて、ドミナントコードに変化させたコードで、セカンダリードミナントと言います。

『C#7/F』は、C#7の第一転回系で、C#7の構成音Fをベースに据えた形です。
F#m7に半音したからアプローチできるため、進行がスムーズで、F#m7がより強調されます。

チェック:転回系とは
コード構成音のいずれかをベース音にし、分数の形で表記されたコードを「○コードの転回系」と言います。(例えば、Cコードの構成音Gをベース音にした『C/G』)

コードの3度がベースになったものを第一転回系、5度がベースになったものを第二転回系、7度がベースになったものを第3転回系と言います。
9th等のテンションノートは転回系になりません。
▷転回系について詳しくはこちら

この部分の解釈

イントロ前半に感じる暗さは『C#7(セカンダリードミナント)→F#m7』の動きが作り出しています。
セカンダリードミナントによって、一瞬F#mキーの様な暗い雰囲気が漂うためです。

4小節目【B7】

『B7』もセカンダリードミナントで、6小節目の『E』を想定したコードです。

Eは、Dメジャーキーの純粋なドミナント(プライマリードミナント)ですから、B7は「ドミナントに対するドミナント(ダブルドミナント」と言えます。

この部分の解釈

2小節目の『C#7』は、F#m7をトニックと見立てるため暗い雰囲気を感じさせました。
反対に『B7』は、トニック(D)を想定したドミナント(E)をトニックに見立てるため、明るい雰囲気を感じさせます。

『C#7→F#m7』のネガティブな雰囲気を跳ね除けるポジティブさ、力強さがあり、ここを起点に明るさを感じる進行へと変化していきます。

Aメロ

Aメロ楽譜

1~2小節目【Dadd9→Aadd9】

9thが加わった『add9』コードの響きが煌びやかで、少しフワッとした脱力感も感じます。

イントロが壮大で力強かったこともあり、力みが抜け、穏やかな印象でAメロが始まっています。

3~4小節目【Bm7→F#m7】

1〜2小節目の明るさとは一転、3〜4小節目は暗く、F#mに落ち着いています。

この部分の解釈

Aメロでもところどころで暗い雰囲気を感じます。
こうした全体的な暗さが、主人公のネガティブな感情を表現されている様に思います。

Bメロ

Bメロ楽譜

1〜2小節目【D→C#7→F#m→A】

ここでも『C#7→F#m』の動きが見られます。
『C#7』はセカンダリードミナントで、『F#m7』が一時的なトニックとして強調されています。

ただ、このあとすぐにトニックの『A』に進むため、サビで感じた様な暗さよりは軽い印象です。

4小節目【C#sus4→C#】

Bメロの最後のコードですが、ここもF#mを想定したセカンダリードミナント『C#』が使われています。

また、C#sus4を挿入することで、C#への進行を遅らせて「溜め感」を作り出しています。
ここまでC#が強調されると、次はF#mに進むことを予感させます。

実際には、サビ頭の『DM7』に進行しますが、F#mキーよりの世界観が強まります。

サビ

サビ楽譜

1~2小節目【DM7→E/D】

『DM7→E/D』は、D→Eの進行のベース音をDに留まらせた形です。
そのため、前に進んでいる感覚は弱まりますが、バンドインのタイミングと重なるため壮大で、どっしりとした印象が感じられます。

3〜4小節目【C#7→Fdim→F#m7】

『C#7』は、ここまで何度も出てきたセカンダリードミナントです。

『Fdim』はC#7と構成音が近しく、C#7の代理コードとして機能しています。

コード 構成音
C#7 C#,F,A#,B
Fdim F,A#,B

C#7同様に、F#m7への進行を予感させます。

15小節目【A】

ここまでの暗い雰囲気は、『A』で終わることで払われます。

ただこのコード一つで、これまでの暗さが全て吹き飛ぶかと行ったらそうでもありません。
この部分の歌詞「なんてね嘘だよごめんね」と照らし合わせてみれば、絞り出した明るさや、空元気の様に感じます。
こうした歌詞と演奏の連動性も、名曲には大切な要素です。

16小節目【Dm】

『Dm』はサブドミナントDがマイナーになった形でサブドミナントマイナーと言います。

Amキーのダイアトニックコードとも言えますが、Aメジャーキーの上では切なさや哀愁を感じられるコードです。

まとめ

歌詞まで見てみると、「失恋」や「引き裂かれた恋」の様なテーマ性がある様です。
暗くも、ほのかに明るさがあり、それがまた切なさを感じます。

暗いと明るさの塩梅も計算されている様に思えます。

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