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【夏のハイドレンジア/Sexy Zone】コード進行と分析

ドラマ「彼女はキレイだった」の主題歌に起用されたSexyZoneのニューシングル『夏のハイドレンジア』。
秦基博さんが作詞作曲を担当されていることでも話題となっている楽曲です。

今回もコード進行や演奏から分析をしていき、作曲者の意図を探ってみましょう。

ここからの内容は、er-music編集部の独自の見解になります。 読者様との解釈に相違がある場合も、考え方の一例、また娯楽の一環としてご覧ください。 また、ダイアトニックコードの理解があるとより楽しめるかと思います。 >>ダイアトニックコードについて

全体を通して

この曲の情報

作詞/作曲:秦基博

キー:C

BPM:115

発売:2021年8月4日

ミドルテンポでバラードチックな楽曲です。

全体を通して見てみると、オンコードが多用されているのが特徴的です。

ここには、コードやベース音をスムーズにしたり、響き豊かにする意図が感じられます。

物語のストーリー性や展開が重要となるバラードやJpopといったジャンルで、長く結果を残してきた秦基博さんの表現力が光ります。

イントロ

楽譜イントロ

イントロ部分では、サビのメロディが使われていますね。
この部分のコード進行の解説は、『4章:サビ』で解説いたします。

お先にAメロをご覧ください。

Aメロ

楽譜Aメロ

1〜2小節目(G/F→C/E)

G/F(V/Ⅳ)→C/E(Ⅰ/Ⅲ)の進行が特徴的ですね。

上のコードだけ見ると、不安定なドミナント(G)からスタートし、安定のCトニック(C)へと解決します。

ここの4小節は、ベースラインが4→3→5→6となっているため、その部分だけ見るとよく見る進行にみえますね。

この部分の解釈
G/Fがうまくフワッとした雰囲気を出していますね。
ドミナントは不安定な音なので、Gコード単体でスタートすると流石に浮きすぎてしまうと考えているのかもしれません。
ベースで安定感を出してバランスを保っているように感じます。
ある意味、通常のF→Emの進行でなく、分数コードとすることでテンション感のある奥行きをかんじられる響きとなっていますね。
えるるん
V/Ⅳコードは「ひまわりの約束」のBメロ冒頭でも使われているよ!これも秦基博さんらしさなのかも!

5〜6小節目(F→F/G)

分数コードが使われていますがまず上のコードだけ見てみましょう。

Fコードが2小節間続いています。

ただこの先、トニックであるCに解決したいので、セオリーとしてはF→Gと進んだ方が自然です。

音の響きをあまり変えずに、F→G→(C)の動きを作るためにF/Gとしていると考えられます。

この部分の解釈
Aメロは特に落ち着いたセクションです。
そのためコードチェンジも「比較的滑らかで、動きの少ないもの」にしていると解釈しました。

Bメロ

楽譜Bメロ

1〜4小節目(Dm→G→Em→Am)

分数コードも上の音だけをみれば、ここまで単純で滑らかな進行をしていました。

えるるん
F,G,Cなど基本的なスリーコードが多かったね!

Bメロは変化が強く、ⅡmであるDmから始まります。

4小節の進行の中でも、「安定感」と「変化」が感じられます。
Dm→Gは強進行で滑らかさがあり、このままCへと解決するような安定感のある動きと言えます。
次にCへと解決せず、Em→Amとまた強進行で進みます。

Emに飛ぶことで変化を感じられますね。

この部分の解釈
ⅢmであるEmは厳密にはトニック(C)の代理コードとしてもかんがえられますが、Amへと解決するためドミナントの役割として用いられてるともとらえられます。
そしてさらに、次の小節でまた変化が訪れます

5小節目(B♭)

ここにきてノンダイアトニックコードが現れました。

キーであるCからみて♭ⅦであるB♭ですが、「ハツ」とするような強烈な違和感を感じます。

ここは、モーダルインターチェンジが使われていて、Cmスケールの♭ⅦであるB♭を一時的に借りてきたと解釈できます。

er-theory

なんだか小難しい音楽用語に『モーダルインターチェンジ』があります。 下の画像はaikoさんのキラキラという楽曲です。 こ…

えるるん
一瞬転調したのかと思うほどハッとするよね…

サビ

楽譜C

3~4小節目(G#dim→Am)

サビでは所どころ『G#dim』が出てきます。
これは次のAmへと解決するためのセカンダリードミナントである『E』の代理コードであると考えられます。

この部分の解釈
Amへ半音でアプローチができるほか、セカンダリードミナントのEに♭9の音が加わるためよりマイナーコードへの解決をより自然に行うことができます。
Aメロの明るくメジャー調の雰囲気に比べ、G#dimが入ることでマイナーな雰囲気が一気に増しますね。

5小節目(F→G/F)

この部分を上のコードだけで見ると、『F→G→Em→Am』と、JPOPでもよく見られる王道進行の形をとっています。
ベース音だけをFで留まらせるためにオンコードとしています。

えるるん
ベースがGに行かないので、Eへの接続がスムーズだね!
前半4小節でdimを使ったりと比較的重たい印象のある進行だったので、ここで落ち着きを生み出しているように感じたよ!

8小節目(G/B)

ここもオンコードが使われていますね。

このコードは、9小節目のAmへスムーズに接続するためにGコードの第2音である『B』をルートとしています。
第1転回系と呼ばれるものです。

9~10小節目(Am→E7)

8小節目では『C』に解決しているため、キーはCメジャーであると考えられます。

しかしここは、非常にマイナーな雰囲気が強く、Aマイナーキーに一時転調しているように思えます。
次のE7は、AメロディックマイナースケールのⅤ7にあたります。

この部分の解釈
キーはCのままで、E7はAmへのセカンダリードミナントとも考えることができますが、Amへ転調していると考えられることやその後Amへ解決しないので、単にメロディックマイナースケールのⅤ7と解釈しました。
12小節目のAmへ解決するコードともいえますが、その前にはG#dimがあるのでその考えも排除しました。

13~14小節目(F→G→E7/B→Am)

ここも上のコードだけを見れば、『F→G→E7→Am』と王道進行に近しい動きをしています。
5~6小節目と同じですね。

このうち『E7』はAmへの動きの強制力を高めるためのセカンダリードミナントコードです。

さらに、5~6小節目との差別化の意味合いでも、E7の第3音である『B』をベース音としています。
こうした全音上からのスケールアプローチもポップスではよく見られるアレンジングです。

この部分の解釈
5~6小節目は、落ち着きを生み出したい部分であったためスムーズな上記の進行を選んでいるとすると、
ここでは反対に、クライマックスにふさわしい「盛り上がりのある激しい進行にする」意図が考えられます。

まとめ

作詞作曲が秦基博さんということで、JPOPの要素がふんだんに感じられる曲でした。

オンコードを使ったアプローチや、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」のそれぞれの展開の多様さとストーリー性に関して、非常に学びになる楽曲だと思います。

 

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