【Progress/kokua】コード進行と分析

「プロフェッショナル 仕事の流儀」のテーマソングであるProgress。

同番組のために結成されたkokuaの楽曲で、日本でも有数のトップミュージシャンに達によって構成されています。

  • 武部聡志(キーボード)
  • スガシカオ(ボーカル)
  • 小倉博和(ギター)
  • 根岸考旨(ベース)
  • 屋敷豪太(ドラマ)
ここからの内容は、er-music編集部の独自の見解になります。 読者様との解釈に相違がある場合も、考え方の一例、娯楽の一環としてご覧ください。 また、ダイアトニックコードの理解があるとより楽しめるかと思います。 ダイアトニックコードとは?

全体を通して

この楽曲はMr.childrenの作風を意識されているようです。

コードでみて特徴的な部分でいうと、♭Ⅵや♭Ⅶが多用されること。

Mr.childrenの楽曲でも頻繁に使われるコードで、例えば「終わりなき旅」のサビ終わりなんかにも出てきます。

Jpop的なギターロック感があったりと、なにか通ずるところがたくさんありそうですね。

イントロ

楽譜イントロ

1小節目(特徴的なギターフレーズ)

1小節目はCコード単体と表記する事ができそうですが、フレーズを見てみると(C.G)と(C.G♭)の和音が使われています。

G♭はCからみた減5度です。

2小節目

イントロでは、さっそくA♭とB♭が登場します。

このコードは、モーダルインターチェンジによって、一時的にCmスケールの♭Ⅵ.♭Ⅶのコードを借用したと考えられます。

この部分の解釈
マイナーキーのコードから、メジャートニックへと解決する事で、下から這い上がってくるような強い力が感じられます。
マリオのステージクリアの時に使われるBGMでも、同じコードの使い方がされています。とても達成感がありますね。

Aメロ

楽譜Aメロ

2小節目(Cadd9)

オンコード『Cadd/E』が使われています。

Cadd9の煌びやかなサウンドを保ちつつ、Em7に近くドミナントよりの響きがします。

本来このままAmに着地してもおかしくないですが、さらに強烈なコードが次に構えています。

3小節目(E7/G#)

このコードはE7のM3(3度の音)であるG#がベースに来た形で、E7の第一転回系といいます。

ここでのE7の正体は、次のAmに向かうセカンダリードミナントコードです。

キーCのトニックはもちろんCですが、セカンダリードミナントの理論を使えば、一時的に別のコードをトニック捉え、その5度下(ここでいうE7)のコードをドミナントコードに変える事ができます。

5小節目(Fm)

ダイアトニックコードの概念で考えると、キーCのⅣはFかFM7が使われますが、ここではFmになっています。

これは、サブドミナントマイナーと呼ばれるもので、CマイナーキーのⅡmを借用してきたと考えられます。

えるるん
サブドミナントマイナーもいくつか種類があるけど、メジャーキーのⅣをⅣmにしてる曲はたくさんあるよ!

10小節目(Eaug)

Aメロのメロディーから、8小節一回しと考えると、10小節目は2小節目に相当する部分ですが、『Cadd9』→『Eaug』へと変化しています。

えるるん
緊張感のあるコードになったね…

aug(オーギュメント)はメジャーコードの5度が半音上がった形で、普通のメジャーコードの代わりとして扱うこともできます。

このコードを単純にEと捉えると、12小節目のAmへのセカンダリードミナントだと分かります。

16小節目(A♭)

イントロ同様にCmキーからのモーダルインターチェンジです。

サビ

楽譜サビ

2小節目(G/B)

上のコードを見る通りこのコードはGです。

Gの3度の音をベースとする事で、次のAmへ下っていくスムーズなベースラインにしています。

4小節目(Fm→A♭)

FmはBメロと同様サブドミナントマイナーです。このコードも要はCmキーからのモーダルインターチェンジで、A♭も同じ理論で借用されてきたコードです。

サブドミナントマイナーは、基本Ⅳmですが、その代理コードとしていくつかのコードが考えられます。
実はA♭もサブドミナントマイナーの代理となるコードで、ここ4小節目は『サブドミナントマイナー→サブドミナントマイナー』でコードが続いていると考えられます。

なので、この部分は同じ(様な)コードが1小節なっているととらえていいでしょう。

5~6小節目(C/G→E7)

このコードはCコードの第2転回系です。
Cから見た5度の音Gがベース音となっています。

次のE7はAmへとつながるセカンダリードミナントです。
要はドミナントとしての機能を持ったコードですね。

この部分の解釈
トニックコードの第二転回系→ドミナントの動きが、さらにエンディングとしての力を強めているように感じます。

8小節目(D7)

Ⅱ7であるD7は、通常Gへとつながるセカンダリードミナントとして解釈されます。
しかし、ここではGへと進まずA♭に進行しています。

Ⅱ7が使われる典型的なパターンとして、『Ⅱ7→Ⅱm7→Ⅴ7』があります。
一度、Ⅱm7であるサブドミナントを挟んで、Ⅴ7(ドミナント)へすすむパターンです。

A♭はCmキーからのモーダルインターチェンジですが、同様にサブドミナントとしての機能を持っています。
B♭はドミナントです。

えるるん
D7(セカンダリードミナント→A♭(サブドミナント)→B♭(ドミナント)
機能で見ると定番のパターンと同じなんだね!

まとめ

様々な音楽理論が登場しましたが、なかでもCmキーからのモーダルインターチェンジが多用されていて、『A♭』が多く出現していましたね。

英語には詳しくないのですが、「Progress」には「進捗」といった意味があるようです。
「今未来に向かって進んでいる最中であり、もう一歩前に進んでいこう!」という応援ソングなのでしょうか。

次は歌詞にフォーカスして聴いていきたいですね。

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