Saucy Dog、5th mini Album「レイジーサンデー」収録曲の「シンデレラボーイ」。
youtubeでは、親交のある漫画家ますだみくのオリジナルストーリーを交えて楽しむことができます。
なんとも、充実感や悲壮感が入り混じった楽曲で面白みを感じました。
今回も、コード進行を主軸に楽曲を分析していき、作曲の意図を探っていきましょう。
全体を通して
イントロからAメロと、明るい雰囲気が続いていますが、なにか哀愁というか、もの悲しさも感じさせます。
Bメロからは、暗い雰囲気が徐々に増していき、ストーリーがあることを感じることができます。
基本、ギターライクなシンプルなコードが続きますが、演出に重要と思われる部分がいくつかあるので確認していきましょう。
イントロ(シンデレラボーイ)
最初2小節がイントロ、Aメロの基盤となるコード進行になります。
A→B→C→D と音が上っていってるのが分かりますね。
Aメロ(シンデレラボーイ)
5小節目〜
こかまでは2拍ごと上昇していくスムーズなコード進行でしたが、5〜8小節目は1小節ずつのコード進行になります。
8小節目(GM7)
ここで一瞬、不安定にも感じるコードが入ります。
ここでのGM7は、モーダルインターチェンジによるコードです。
一時的に、Aミクソリディアンスケールの♭ⅦM7を借用してきたと考えられます。
Bメロ(シンデレラボーイ)
Bメロは、マイナーコードからの下降が特徴的で、Aメロに比べもどかしさがましたように感じます。
そう感じさせるポイントは、主音であるAになかなか解決しないで、Dadd9で停滞している部分です。
トニックAからみたDはサブドミナントと呼ばれるコードで、「若干不安定で、その後トニックへと進みたい」性質があります。
加えて、sus2コードは(add9omit3)、そのコードの安定感をだす大切な3度の音を省いたコードです。
そのため、ふわふわとした響きを感じさせます。
サビ(シンデレラボーイ)
サビ前半はシンコペーションや、リズムの激しさが増したりと、これまでよりも前のめりで走り出したような変化を感じるセクションです。
加えて、なんだか暗く悲しい雰囲気を感じます。決して歌詞だけの問題でなく、コードにもその理由があります。
3〜4小節目(C#7→F#m7)
C#7が、暗さや悲しさの演出に重要なコードなっています。
このコードは、セカンダリードミナントと言われるもので、F#m7を一時的なトニックと見立ててドミナントコードにも変化させたコードです。
要は、この瞬間だけキーFmの響きを取り入れていることになります。
間奏(シンデレラボーイ)
ロックなギターバッキングが特徴的なセクションです。
リズムもしっかり出ていて、サビから一転少し楽し気な雰囲気も感じ取れるのではないでしょうか。
ここが起点となり、1番ではしっとりとしたAメロが、リズムもはっきりして明るい2番Aメロへと変化しています。