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【SWEET TWEET/Official髭男dism】コード進行と分析

今や日本で知らない人はいないであろう国民的人気バンド、ヒゲダンことOfficial髭男dism。

そんな彼らが初めてリリースした1stミニアルバム『ラブとピースは君の中』の1曲目に収録されているこの楽曲。

今回はポップで踊れる隠れた名曲『SWEET TWEET』を分析していきます!

全体について

この曲の情報

作詞/作曲:藤原聡

キー:F

BPM:133

発売:2015年4月22日

誰しもが経験したことのあるような、甘酸っぱい青春のラブソング。
ポップでダンサブルな曲調でありながら、ファンキーなベースにギター、時にブルージーなメロディーが抑えきれない恋心を感じさせます。

楽器全体はそんなに難しいことをやっているわけではありませんが、それ故に全体のリズムがポイント。
16分のノリを感じるこの楽曲ですが、ドラムはほとんど16分音符を出しておらず、
ピアノやギターのカッティング、ベースのスタッカートなど、アンサンブルによってファンキーなノリが生まれています。

イントロ

SWEET TWEET/イントロ楽譜

1~6小節

イントロからEarth, Wind & Fireを彷彿とさせるような、印象的なピアノのフレーズからスタートします。
ところどころスタッカートで演奏されており、出だしから聴き手にファンキーな雰囲気を感じさせます。

7・8小節

DbM7(#Ⅴ)→EbM7(#Ⅵ)という進行を経て冒頭のサビへ繋がります。
この部分ではモーダルインターチェンジを使っています。モーダルインターチェンジとは、ざっくり言えば同主調のダイアトニックコードの中から一時的にコードを借りてくる手法のことです
つまり、この楽曲のキー(Fメジャー)の同主調、FマイナーキーからDbとEbを借用している、ということになりますね。

er-theory

なんだか小難しい音楽用語に『モーダルインターチェンジ』があります。 下の画像はaikoさんのキラキラという楽曲です。 こ…

サビ

SWEET TWEET/サビ楽譜

1・2小節

Gm7→C7(9)→C7(b9)という進行に対して、メロディがレbに行っています。
C7(V7)上でb9の音を使うというのはジャズではよくあることで、メロディにこれを取り入れるだけでもジャジーな雰囲気を醸し出すことができます。

7・8小節

Dm7→Cm7→F7(Ⅵm7→Ⅴm7→Ⅰ7)

F7(I7)セカンダリードミナントであり、それに向かうCm7(Ⅴm7)リレイテッドIIm7の役割を持っています。
F7(I7)をVと考え、Cm7(Vm7)をIIm7として使うことでツーファイブの動きをしているというわけです。

この部分の解釈

まず「愛する君の声がどんな歌より聴きたくなった」という歌い出しによって、真っ直ぐな恋心を歌ったラブソングであるということを聴き手に認識させます。
そして「話すことも大して決めちゃないんだよ」「震える指でダイヤルする夜はスロー再生で」というフレーズから、
好きな相手に対する若々しい勢いや、恋愛に不慣れで緊張しているさまを読み取ることができます。
こういった巧みな情景描写は髭男の多くの楽曲で確認することができ、藤原聡さんの表現力の高さが伺えます。

Aメロ

Aメロでは、C7以外のコード上でもレbの音が頻繁に使われています。
この楽曲に度々登場するレbについては、ブルーノートスケールが使われているという解釈ができます。
ところどころブルーノートが入ることによって、少し憂いを帯びた雰囲気を醸し出しています。

この部分の解釈
「笑うときだけいつもの声より二音半上がる」歌詩に音楽的な表現が使われています。
サビの「愛する君の声がどんな歌より聴きたくなった」からも読み取れるように、相手の話し声すら音楽として表現している感じがします。とてもロマンチックですね。

Bメロ

楽器全体のアクセントが一拍目ではなく二拍目にくるシンコペーションが繰り返される印象的なBメロ。
四つ打ちの流れから唐突にリズムが変わるので、聴き手側は意表を突かれます。

ハンドクラップも効果的に使われていて、キャッチーでクセになる要素が満載。この曲のフックになっているパートだといえます。

この部分の解釈
楽曲の中で感じ取れる違和感だったり、印象的なフレーズやリズムなどにはその曲を繰り返し聴きたくなるような作用があります。
人の心を掴む楽曲には、そういったフックが上手く仕掛けられています。

間奏

間奏は1分近いギターソロのパートとなっています。
G7とD7(#9)の2コードで展開され、ドラムはシンプルな四つ打ちをキープしていたところから、ここではファンキーな16ビートを叩いています。

この部分の解釈
ほぼDmペンタトニックスケールで構成された、1分近くに及ぶ熱いギターソロ。今すぐ会いに行きたい気持ちや、抑えきれない恋心を体現したようなソロです。

ラスサビ

レとレbを繰り返すメロディがソウルフル。半音を行き来するような、歌メロというよりもフェイク的なフレーズが感情の高まりを演出しています。

「愛する君の声はメロディ 恋する僕刻むメモリー」の歌詞が繰り返されアウトロへ。

アウトロ

SWEET TWEET/アウトロ楽譜

DbM7→EbM7→EM7→GbM7→Ab7(#9)

Fメジャーキーで進行してきたこの曲ですが、最終的にはAb7(#9)で終わります。

イントロでも登場したモーダルインターチェンジによる転調によって、あふれる思いを感じさせるような浮遊感とともに上昇、
最後はブルージーにAb7(#9)で締めくくるという粋な終わり方。

この部分の解釈
Fメジャーキー上のモーダルインターチェンジ(DbM7→EbM7)の時点でFマイナーキーの平行調であるAbメジャーキーに転調しており、
さらに滑らか且つラストにふさわしい上昇感を作るため、Abメジャーキーの上でモーダルインターチェンジ(EM7→GbM7)している、と解釈できます。

まとめ

信じがたいことに、この曲は「インディーズデビューで発売した1stミニアルバムに収録されている楽曲」です。

藤原聡さんの表現力、他メンバーの巧みな音使いと演奏・アレンジ、ポップに聴かせるバランス感など、細部まで考え抜かれた名曲だと思います。

デビュー時からこれほどまでの実力とセンスを持ち合わせていたことを考えると、売れてるべくして売れたバンドだったと言えるでしょう。

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