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【ハッピージャムジャム/M.S.J】コード進行と分析

ハッピージャムジャムは、皆さんご存じ『しましまとらのしまじろう』のエンディングテーマ。
最近ではSNSでカバーされるようになり、とうとう作曲者本人の樫原伸彦がそれに関しツイートされました!

最高にハッピーな楽曲を分析していきましょう!

ここからの内容は、er-music編集部の独自の見解になります。 読者様との解釈に相違がある場合も、考え方の一例、また娯楽の一環としてご覧ください。 また、ダイアトニックコードの理解があるとより楽しめるかと思います。 >>ダイアトニックコードについて
なお五線譜の下に書かれた分析記号については、理解していなくても読み進めることができます。

全体を通して

この曲の情報

作詞/作曲:横山武/樫原伸彦

キー:A♭

BPM:124

発売:1997年12月10日

4つ打ちの踊れるビートに、明るいコード進行が最高にハッピーにさせてくれる一曲です。
今回ワンコーラスを見ていきますが、ほとんどが明るい響きのメジャーコードで形成されています。

コード進行の特徴としては、よくA♭マイナーキーからコードが借用されています。
モーダルインターチェンジと言うこともできますね。

主に、よく使われている以下のコードは、マイナーコードの暗い響きがいい感じにロックな雰囲気醸し出します。

  • G♭
  • C♭

間奏部分では激しいギターソロがあったりと、ロックな印象がところどころ感じられますね。

イントロ

楽譜イントロ

1~2小節目(E♭→D♭/F→G♭→E♭/G)

区切るならばここは「イントロ1」と言うべきでしょうか。

この後3〜6小節目への導入部分となっています。

まずベースの動きに着目してみると、『E→F→G♭→G』となっていて、3小節目頭でA♭(トニック)に到達します。

えるるん
A♭へ向けて登っていく様子から、期待感が得られるね!
コード全体をみると、オンコードを利用したり、マイナーキーからの借りてきたコード(G♭)が見られます。
それでもマイナーコードは使われておらず、メジャーコードへのこだわりが感じられますね。
この部分の解釈
コードにはそれぞれ役割があります。安定感のあるトニックという役割。少し不安定なサブドミナントという役割。不安定でトニックに進みたいドミナントという役割。
ここ2小節は、3小節目のA♭にむけてのワクワク感なんかを表現している部分だと思われます。
そうであるなら、この2小節でトニックの音は鳴らさず、サブドミナントやドミナントでうずうずさせてあげたほうが、より3小節目頭が際立ち、期待感が膨らみます。
それぞれのコードの役割を確認してみましょう。
  • E♭=ドミナント
  • D♭/F=サブドミナント
  • G♭=ドミナント
  • E♭/C=ドミナント
どれも不安定なコードで構成されていることがわかりますね。
ベースをFとする時に、あえてFmなんかを使わない理由がわかります。Fmの役割はトニックなのです。

3小節目(A♭→G♭)

区切るとすれば、ここからが『イントロ2』。Aメロまで一度もマイナーコードしか出てきませんね。とってもポップで明るい印象があります。

ここでの『G♭』は、A♭マイナースケールから借りてきた♭Ⅶ(7番目のコード)。
先程の2小節にも出てきましたね。

メジャーコード続きですが、マイナーキーのコードが出ることで陽気な感じになりすぎず、クールな印象まで感じます。

6小節目(C♭)

『C♭』は、A♭マイナースケールの♭Ⅲ(3番目のコード)を借りてきたものです。

えるるん
歪んだギターも合いそうな、カッコいい曲調だね!

Aメロ

楽譜Aメロ

Aメロもマイナーキーのエッセンスが感じられます。明るすぎずクールな雰囲気ですね!

2~3小節目(E♭m7→A♭→D♭)

『E♭m7→A♭』の流れは、次のD♭を一時的なトニックと見立ててツーファイブワンの進行を行なっています。

D♭キーでいう、Ⅱm7(2番目のコード)がE♭m7、Ⅴ(5番目のコード)がA♭となっています。
このE♭m7は、A♭マイナースケールからの借用和音とも考えられます。ここもなんだか落ち着いてクールにかんじます!

4小節目(D♭m7)

ここでの『D♭m7』は、サブドミナントマイナーとよばれるもの。
このコードもA♭マイナーキーのⅣm(4番目のコード)を借りてきたとも考えられます。

すこし、悲しげで落ち着いた雰囲気を感じさせますね。

この部分の解釈
メジャースケールとマイナースケールが混在していて、何度もハッとさせられますね。
D♭m7の部分は、歌詞がちょうど「ワンダーランド」となっています。
僕達が知り得ない、ワンダーランドという世界観の表現には、こうした予想を裏切るコードのチョイスが必要なのかも知れません。

6小節目(Cm7/F→F7)

Cm7/F→F7』の進行ですが、その構成音から『F7sus4→F7』に近い響きを感じさせます。

この動きで、あたかもF7がドミナントコードのようにも聞こえます。
Aメロ2小節目でも出てきた、ツーファイブの進行にとれるからです。

そう考えれば、次進むべきはB♭m7あたりでしょうが、実際はD♭に進んでいます。

これは、B♭m7とD♭が近しい構成音をしているから代わりのコードとして使われているのでしょう。

こういった、近しい響き・機能をもつ関係を代理コードと言います。

サビ

楽譜サビ

1〜3小節目

まず1〜2小節目は王道進行と呼ばれるものですね。
A♭キーの4番目のコードから始まっており『4→5→3→6』 の動きを形成していますね。

3小節目は、その動きを代理コードに置き換えA♭に上手く着地しています。

この部分の解釈
王道進行は、明るいのか暗いのか分かりにくい響きをしています。
一方で、3小節目ではD♭をBm7に置き換えることで、A♭へとツーファイブワンの動きを作っています。
あくまでも明るい曲であることがわかります。

4~5小節目(A♭7→D♭)

A♭7は、次のD♭を一時的なトニックと見立てたドミナントセブンスコードです。

セカンダリードミナントと呼ばれるもので、これを使うとさまざまなシチュエーションで、ドミナントコードに変換することができます。

この部分の解釈
A♭(セカンダリードミナント)はD♭へ行きたい力を強めることができます。
そのうえで、サビでははじめてのノンダイアトニックコードですので、一瞬ハッとさせられます。
この驚きが、サビ前半とサビ後半を分ける境界線になっているようにも感じます。

6小節目(C7/E→Fm)

『C7』は先程の、A♭7同様セカンダリードミナントです。
次のFm7を一時的にトニック見立てて、ドミナントコードに変換しているのです。

この部分の解釈
C7/EとベースをEにする事で、Fmに半音したからアプローチしています。
これのおかげで、この1小節だけマイナーな暗い雰囲気が増します。
一瞬の落ち込みがいいスパイスとなり、この後の進行を際立たせます。

7小節目〜8小節目(B♭m7→A♭/C→D♭→D♭/E♭)

6小節目の暗いイメージから一転、ベース音が駆け上がっていき、間奏頭のA♭へと着地する明るく希望感のある進行です。

A♭/C』は、よくCm7としても上昇の役割を果たしますが明るめのA♭となっています。

D♭→D♭/E』の進行では、コードの変化が最小限になっていて落ち着いた印象があります。

この部分の解釈
サビの盛り上がりを整える意味合いで、こうしたコードの工夫がされているように感じます。

まとめ

ところどころにハッとするスパイスが盛り込まれた楽曲でした。

マイナーな雰囲気を醸し出す部分はあれど、終始明るく、愉快な楽曲でしたね。
オンコードを使った、メジャーコード・マイナーコードのコントロールは非常に勉強になります。

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