放課後ティータイムの看板ソングとも言える曲で、当時は身近でも多くの人がバンドでカバーしてました。
全体を通して
全体的にシンプルなコード進行で、イントロはスリーコードのみで作られているほどです。
それでも、バンドらしいキメと疾走感にかっこよさがあり、ボーカルの可愛らしさと相まってキラキラと青春のような感覚を味合わせます。
逆にオープニング曲なんかは、もはやコピーの需要はあまり狙っていないイメージ。すごく難しい…
以前分析した『ふでぺん〜ボールペン〜』でも、そうでしたが、青春感の表現には疾走感、明るさが大切なようです。
バンドブームを盛り上げたアニメ「けいおん!」 劇中で結成された、放課後ティータイムの『ふでぺん〜ボールペン〜』のコード進行から楽曲を分析していきます。 ここからの内容は、er-music編集部の独自の見解になります。 読者様との解釈に相[…]
イントロ
キーEのダイアトニックコードのうち、E(トニック)・A(サブドミナント)・B(ドミナント)のスリーコードだけで作られています。
「Eから始まりEに帰る」模範解答のようなコード進行ですが、明るくポップなリズムが耳に残りますね。
Aメロ
Aメロもコード進行はシンプルですが、メロディーが特徴的で、8部音符の「ミ」の音を続け様に発音しています。
3小節目の4部音符「ミ」がくるまでずっと落ち着かず、焦りがあるような前のめりな感覚があります。
Bメロ
Bメロに入ると、メロディーの音価は伸びて、落ち着きが生まれています。
Aメロで感じる緊張感や焦りを、ここで一旦落ち着かせているようです。
3小節目【E/G#】
前後をみると、ベースラインがスケールに沿って下行する進行になっています。
『E/G#』は、トニックであるEの第一転回系です。
転回系は、コード構成音のいずれかをベース音に変えたものです。
トニックの落ち着きをもちつつ、ベースラインのスムーズな下行を作り出しています。
8小節目【Esus4→E】
Esus4は、Eの3度の音を半音釣り上げたコードです。
Esus4は、少しふわふわと浮遊感のある響きをするので、Eにたどり着くまで、明確な解決感を生みません。
12小節目【C#】
Eのダイアトニックコードでは、C#mであるべきですが、ここでは『C#』が使われています。
このC#は、次にすすむF#mを一時的にトニックとみたててドミナント(メジャートライアド)に変えたコードです。
この様に、本来のトニック(E)以外を、トニックと見立てて、ドミナントを作り出す手法をセカンダリードミナントと言います。
13〜14小節目【F#m→F#/A#】
『F#m』は、単純にキーEのダイアトニックコードですが、『F#/A#』はそれがメジャーコードの形に変わっています。
※/A#は、F#の3度の音をベース音にした、第一転回系です。
これも、12小節目で出てきたセカンダリードミナントの一種です。
次に進行する『B』を一時的なトニックとみたててドミナントコードにしたものです。
ドミナントに対するセカンダリードミナントだから、ダブルドミナントと言ったりするよ!
サビ
1〜4小節目【E→A→B→G#7/C】
3小節は、『E→A→B』と王道的な進行です。
この進行は次にEへの解決を予感させますが、予想を裏切り『G#7/C』へ進行します。
G#7/Cは、次のC#mへのセカンダリードミナントです。
セカンダリードミナントであG#7の第一転回系にして、ベース音をCにすることで、B→C→C#と半音で上行する進行になっています。
5〜8小節目【C#m→A→F#m→B】
先ほどの、セカンダリードミナント『G#7/C』の力で、強く『C#m』へと進行しています。
その後、『A→F#m→B』とツーファイブモーションをとって、9小節目の『E』に解決します。
9~12小節目【E→A→B→G#7/C】
8小節でサビがひと段落し、後半へと入ります。
そのため、9〜12小節目は、1〜4小節目に相当する部分となり、同じコードで作られています。
メロディーもほとんど同じですが、12小節目でノンダイアトニックな「ド」の音がなっています。
この音は、セカンダリードミナント『G#7』の3度の音ですので、このコード上では非常にマッチした響きとなります。