物が振動すると空気中の圧力変化が起こり、波が生まれます。
この波が鼓膜を振動させ、私たちは音を感じます。
振動の仕方は無数にありますが、音楽においては、それら振動が生む『音』を3つの種類に分類しています。
今回は、3つの音の種類『純音』『楽音』『噪音』について解説します。
音の種類
音は以下3つの種類に分けられます。
- 純音:ラジオの時報の様な倍音を含まない機械的な音
- 楽音:楽器や声が奏でる音程を感じる音
- 噪音:打楽器が出すような音程を感じない音
純音
純音とは、一つの周波数のみで構成される音のことです。
私たちが普段聞く音は、物体の振動によって様々な倍音(元の周波数の倍の音)が混ざり合っています。
声も、雨の音も、風の音もそうです。
純音は、音叉やラジオで流れる時報に近い音であり、なんだか機械的にも感じる音です。
これは、純音が自然界では生まれない音のためです。
ただ、音叉やラジオの時報も、実際は完全な純音とは言えません。
まったく倍音のない純音を機械的に作ったとしても、周りの振動する物体や空気の影響で、複数の周波数成分が含まれてしまうためです。
楽音
楽音とは、純音とは違って倍音を持っており、音程を感じることができる音のことです。
楽器や人間の歌声から生じる音が典型的な楽音です。反対に、石を叩くような打撃音からは音程を感じられず、楽音とは言いません。
楽音は、多くの倍音で構成されます。
実際には倍音以外の高い音(上音)が含まれたりしますが、主に基音と倍音で構成される調和した音です。
ただ実際にはドの音の周波数の2倍、3倍、4倍…の周波数の音が同時になっているんだ。これを基音に対して、倍音というよ!
噪音
楽音は、基音の2倍3倍4倍…という倍音がある程度規則正しく鳴っている音です。
噪音は、楽音のように基音より高い音が一緒になっていますが、楽音のように振動の規則性がない音です。
そのため、音程を感じにくい音ですが、日常生活のありとあらゆるところで鳴っている音です。
例えば、車や飛行機の交通音、家電の動作音などなど…。
一般的に、打楽器の音は噪音にあたります。(しっかりとチューニングがされているため、最初の打撃部分以外は、楽音のように聞こえたりもします。)
例えば以下のドラムを聞いても、音程のあるメロディーではなく、単にリズムだけを感じる方がほとんどでしょう。
隣の家から夜な夜な聞こえるうるさいドラムの音は、騒音っていえるね(笑)
音を作る3つの要素
前章でした『純音』『楽音』『噪音』は、音を分類するための話でした。
さらに『音』について理解するために、次は音がどのような要素で作られているのかを解説します。
「あるグラスと別のグラスを叩いたとき」「あの人とその人の声を聞いた時」。音という括りでは同じなのに、なぜ違って聞こえるのでしょうか。
これは、音を作る3つの要素のそれぞれに違いがあるからです。
【音の3要素】
- 高さ
- 強さ
- 音色
この3つの情報が合わさって、一つの音として聞こえているのです。
まず前提として音は、物体の振動から生まれます。
『高さ』は、振動の速さで決まります。
早い振動は高く、遅い振動は低く聞こえます。
音楽や動画をスロー再生すると声などが低く聞こえたりしますが、これは振動もスローになっているからです。
『強さ』は、振動の大きさで決まります。
机を強く叩くと大きい音が出るように、強い(大きい)振動の方が大きい音として聞こえます。
どうりで、コンクリートなど固く、振動しにくいものを強く叩いても大きい音が出ないはずです。
『音色』は、前章でもふれた倍音の含み方によって変わります。
人の声がみんな違うように聞こえるのは、体や喉の構造でそれぞれ違う倍音を生んでいるためです。
言い返せば、倍音を全く含まない純音は、高さや強さは違えどどれも同じように聞こえます。
音の三要素について詳しくは、『音の三要素とは何?』をご覧ください。