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コード進行ってどうやって作られてる?ルールと定番を知って簡単作曲

公開日:2022年4月16日更新日:2022年4月16日

なんとなく弾いていた、聴くいていたコードの進行。
「これはセンスで作り出すものなのか」「才能がないと作れないものなのか」
そういった解決しない悩みばかり募らせてしまいますよね。

結論、コード進行は『知識』で作ることができます。
知識さえあれば、心安らぐ優しいコード進行も、アグレッシブでかっこいいコード進行も簡単に作ることができます。

今回は、世の中のコード進行がどのようにして作られているのか、また実際に自身で作曲をする際にどのように作ればよいのかを解説していきます。

コード進行にはルールがある

私たちが普段耳にする楽曲(コード進行)のほとんどが、あるルールを基準に作られています。

そのルールとは、『キー』です。
「この楽曲はキーCの楽曲だ」「これはハ長調だね」なんて言ったりしますよね。

基本ルール1:キー

キーは、その曲の中心となる音を決めるルールのようなものです。

例えば、キーがC(C=ドのことです)の場合、『ド』が中心となります。
キーが決まり中心の音がわかると、そこからスケールと呼ばれる7つの音が導きだされ、それらの音を基本として楽曲が作られます。

キーCの場合は、『ドレミファソラシ』の7音がスケールの音で、ちょうどピアノの白鍵部分にあたります。

この7つの音をそれぞれ、ベース音としてコードを作ると、同様に7つのコードが作られます。
これがダイアトニックコードと呼ばれるもので、このコードを基本として楽曲が作られます。

曲はダイアトニックコードでほとんど作られている

スケールの音のみで構成されるコードをダイアトニックコードと言いますが、基本的にこれらのコードを使っていれば自然と曲として成立しやすくなります。
ダイアトニックコードを簡潔に説明すると、「そのキーで違和感なく使える基本のコード」です。

例えば、キーCのダイアトニックコードは以下の通りで、キーCの曲ではどのコードも使用することができます。

Cメジャーダイアトニックコード

上図は3和音の形で、4和音(セブンスコード)の場合も同様に扱うことができます。
ダイアトニックコードについて詳しくは下の記事をご覧ください。

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ダイアトニックスケール

ダイアトニックコード作られている楽曲例『マリーゴールド/あいみょん』

実際に、多くの楽曲がダイアトニックコードだけで作られています。
例として、『マリーゴールド/あいみょん』Aメロを見てみましょう。

マリーゴールドの楽譜

(※2小節目のようなオンコード(分数コード)の形が見られますが、ベース音が構成音のいずれかに代わっているだけなので、上コードネームだけ見ていきましょう。)

この曲はキーDになっているので、ダイアトニックコードも以下のように変わっています。

Dのダイアトニックコード

ダイアトニックコードだけで構成されていますね。

これだけ知っていればコード進行は作り出せることになります。

基本ルール2:コードの役割

コードには3通りの役割があります。

  • トニック(最も安定したコード。にほん)
  • ドミナント(不安定でトニックに進みたい性質のあるコード)
  • サブドミナント(ドミナントほどでないが不安定なコード)

例えば、『ドミナント→トニック』の動きをすれば、「不安定だったけど、落ち着いた!」といった表現ができるので、曲が終わった感なんかを演出することができます。

ドミナントの前にサブドミナントを加え『サブドミナント→ドミナント→トニック』とすれば、トニックへ動いたときの達成感、安心感がより一層増します。

このように、コードの役割を上手く活用することで、自然な動きや思い通りの表現ができるようになります。

ここで、どのコードがそれらの役割を担っているのか見てみましょう
先ほどのキーCのダイアトニックコードで見ていきます。

コードの役割の図解

このうち、本来のトニックはⅠの『C』、サブドミナントはⅣの『F』、ドミナントはⅤの『G』となり、それ以外のコードは、それらの代わりとなるコードです。代理のコードについて詳しくは下の記事をご覧ください。

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コード進行はルールと定番を知れば簡単に作れる

ここまで述べてきたルールだけでも、なんとなくコード進行は作れてしまいそうですね。
最初のうちは、ダイアトニックコードをランダムにならしてみるのもいいでしょう。
慣れてきたら、それぞれの役割(トニックやドミナント、サブドミナント)を意識してみましょう。

ルールを覚えたとはいえ、一から一曲まるまるのコード進行を作り出すのはなかなか大変です。
実際、そうしている人もあまりいません。

多くの人は、定番と言われるコード進行のパターンを利用し、慣れてきたらアレンジしていく流れで学習していきます。
まずはまねて、自分ならではのものを作り出していくイメージです。

好きな楽曲の気に入ったコード進行を自身の曲に使ってみるのもいいですが、それらはこの後紹介する定番コード進行と同じようなものかもしれません。
プロも定番のコード進行を日常的に使っているのです。

自分色のコード進行を作るプロセス

  1. ルールを知る
  2. 定番コード進行をまねる
  3. ルールからあえてそれて、アレンジしていく

コラム:もっと自由に自分色のコード進行を作るには?

「ルールを知って、定番のコード進行を使ってみる。そしてルールに沿ってコード進行をアレンジしてみる。」
この方法のままコード進行を作っていると、良くも悪くもよくありふれたコード進行ばかりになってしまいます。

もっと自由に、例えばaikoやKingGnu、星野源のように、不思議な響きのするセンスあふれた楽曲を作りたい場合は、ルールをあえて破っていく必要があります。
そもそも『ルール』と堅苦しい表現を使ってきましたが、どちらかというと『土台』に近く、あくまでもコード進行を作るうえでの根幹となる一部の考え方に過ぎないのです。(とはいえ非常に大切な部分です。この土台がしっかりしていれば、それ以外の華やかな外見部が生きてくるのです。)

ルールを破るのに最も効果的なのは『ノンダイアトニックコード』を使うことです。
簡単に言うと、ダイアトニック以外のコードをノンダイアトニックコードといい、これにより無限の組み合わせが生まれます。

ノンダイアトニックコードを自在に扱うには、もう少し理解が必要なので今回は解説をしませんが、こういった考え方を持つようにしましょう。

ルールにそったコード進行の作り方

ルールに沿って実際にコード進行を作ってみましょう。

1.キーを決定し、ダイアトニックコードを導きだす

まずは曲のキーを決定し、ダイアトニックコードを導きだします。
キーについて詳しくは、下の記事をご覧ください。

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楽譜の画像

例えば、曲のキーCとすると、ダイアトニックコードは以下の7つになります。

キーCのダイアトニックコードの画像

ここから、無作為にコードを選んでみてもいいですが、より作りやすくするためにコードの役割に着目していきます。

2.コードの役割(機能)から型を覚える

コードの役割を、そのコードの機能と言います。
1章で解説した「トニック」や「ドミナント」「サブドミナント」といったものです。

それぞれを文法として当てはめると、以下のような役割分担ができます。

  • トニック(T):主語にあたる(安定的なコード)
  • ドミナント(D):述語にあたる(不安定なコード)
  • サブドミナント(S):補語にあたる(やや不安定なコード)

こう考えるイメージがわきますね。

さらに、これらを利用した文章の型をカデンツといい、その型に当てはめると、自然なコード進行を簡単に作り出すことができます。

カデンツはいくつかの種類があり、それぞれK1,K2,K3と表記されます。

  • カデンツ第1型(K1): トニック→ドミナント→トニック(T→D→T)
  • カデンツ第2型(K2) :トニック→サブドミナント→ドミナント→トニック(T→S→D→T)
  • カデンツ第3型(K3) :トニック→サブドミナント→トニック(T→S→T)

先ほどキーCのダイアトニックコードをK2に当てはめてみましょう。
トニックはC、サブドミナントはF、ドミナントはGです。

すると、『C→F→G→C』というコード進行ができました。
トニックによって、始まりと終わりがしっかり表現されてて非常に明るく落ち着いた響きがしますね。

さらに発展させ、それぞれの機能をもつ別のコード『代理コード』を当てはめることもできます。
詳しくは下の記事をご覧ください。

 

定番のコード進行を取り入れよう

コード進行の基本ルールを抑え、簡単にコード進行を作れるようになりました。
今度は、定番の進行を知り、良い部分をどんどん取り込んでいきましょう。

ここからは、3つの必ず把握しておくべき定番進行を紹介します。

ここからはディグリーネームで解説をしていきます。
ダイアトニックコードを紹介した際にローマ数字で表記していたものです。

1.王道進行(Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm)

その名の通り超王道で、頻繁に使われるコード進行。
動きは『Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm』です。

キーCでいうと『F→G→Em→Am』

名曲と言われるものの、どこかしらにはひっそりと入ってるんじゃないかと思えるほど、本当に頻繁に使われます。

スピッツのロビンソンのサビでこの進行が使われています。

結構Jロックバンド系では、1曲まるまる王道進行ってこともありますね。
メロディーが乗せやすく、明るくなく、かといって暗すぎない雰囲気が好まれているのでしょうか。

2.カノン進行(Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ)

おなじみパッヘルベルの『カノン』のコード進行で、明るさとドラマチックさがあり、「カノン進行」という愛称でよく使われています。
動きは『Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ』

キーCでいうと、『C→G→Am→G→F→C→F→G』となりますね。

スピッツのチェリーのAメロがこの進行をとっています。

3.小室進行(Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ)

小室哲哉が頻繁に利用していたことからこの愛称で呼ばれるようになった定番コード進行です。
動きは『Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ』です。

キーCでいうと、『Am→F→G→C』となります。

いわずもがな、TMnetworkのゲットワイルドのサビがこの進行です。

まとめ:それでも作曲にルールはいらない

ここまで、「ルールだ」「定番だ」と長々話してきましたが、音楽を作るのにルールはありません。

あくまでも音楽理論は、心地よく聞こえた音楽を理論的にこじつけたもの。
これを知っていることで、往年のミュージシャンたちの進行や演奏を再現することができ、かつ自分なりに落とし込むことができますが、結局はおんがくは自由なものなのです。

個人的には、ある程度の音楽理論をマスターしたうえで、あえてそれらに縛られず感性で作曲してみるのがよいと考えております。
どうしても先に進まない部分、なんだか腑に落ちない部分は 音楽理論に照らし合わせみればたいてい解決します。

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