【1456進行(I→IV→V→VIm)】定番コード進行の特徴と使用例

執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

定番コード進行を解説する本コーナー。
今日は、1456(I→IV→V→VIm)を進行を見ていきましょう。

『コード進行』がよくわからない方は、コード進行とはをご覧ください。

1456(I→IV→V→VIm)のコード進行の特徴

より一般的なコード進行『I→IV→V→I』の最後の『I』へ進まず『VIm』に偽終止している進行です。
『I→IV→V』の流れは、次に『I』への進行を予感させるので、いい意味で期待はずれな印象を覚えます。

コード機能の流れとしては理想的で、「安定的なトニック→少し不安定なサブドミナント→不安定なドミナント→トニック」と進行しています。
たった4つのコードながらも、起(I)承(IV)転(V)結(VIm)を感じられます。

1456進行

 

コード進行の印象

『I』へ解決できないこと、また暗い雰囲気をもつ『VIm』へ進行することで、「気持ちが落ちている」様な印象を感じます。
『I』へのドミナントモーションがないため、「非常に明るい」といったこともなく、『VIm』の暗さにだいぶ引っ張られています。

えるるん
「久しぶりにあった彼氏・彼女と解散した後の帰り道」みたいな、ちょっと切ないけど「それでも心はネガティブじゃなくて、前向きな気持ち」って感じたよ!

1456進行を使った楽曲

実際のヒットソングを参考に、1456進行の雰囲気を掴んでいきましょう。

  • 世界に一つだけの花/槇原敬之
  • グッバイアイザック/秦基博
  • みっけ/スピッツ

世界に一つだけの花/槇原敬之

Aメロ前の冒頭間奏部分が1456進行です。

世界に一つだけの花間奏楽譜

少し、もの悲しさを感じるのではないでしょうか。

グッバイアイザック/秦基博

サビの出だし4小節が1456進行です。

グッバイアイザックのサビ楽譜

快活な曲調で、メロディーも高くまで上行しているため力強さを感じます。ベースが『D→E→F#』と登っていく進行に支えられているようです。

みっけ/スピッツ

Aメロの出だし4小節が1456進行です。

みっけAメロ楽譜

Em(VIm)のタイミングで、メロディーは高くを付きますが下行の形をしています。
力強さもありますが、もの悲しさも感じられます。