騒音レベルを詳しく解説!超えてはいけないラインは何db(デシベル)

  • 2023年10月22日
執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

騒音問題は、日常生活や人間関係に悪影響を与えるだけでなく、健康被害を引き起こすこともあります。
アパートやマンションに暮らす場合は特に注意すべきポイントではありますが、そもそもどこから騒音になるのでしょうか?
基準がわからないと、制御のしようもないでしょう。

そこで、この記事では『騒音』を推し量る目安となる、『騒音レベル』について解説します。
どこからが「騒音」「うるさい音」なのかを把握し、適切に対策を取っていきましょう。

騒音レベルとは

人が不快だと感じる音を『騒音』と言います。
騒音レベルは、dB(デシベル)という単位で表した、うるささの指標です。
dBの値が大きいほど、うるさい音ということになります。

騒音レベルと目安

以下は、騒音レベルに対する聞こえ方のイメージです。
数値によって、どの程度の音量感であるかを簡単に想像してみましょう。

騒音レベル (dB)音の例説明
10葉が揺れる音ほとんど聞こえない静かな音
30図書館の中とても静かに感じる環境
50静かなオフィス日常的な音で会話しやすい
60テレビ・洗濯機声の音量を上げる必要がある
70掃除機大きめの音で会話がしにくい
90電車の通過時うるさく、長時間は我慢できない
110ライブコンサート非常にうるさく、聴覚異常をきたす恐れ

どこから「うるさい」と感じるのか

「うるさい」という感じ方は人それぞれです。
静か目の音量でも、「不快でうるさい」と感じる方もいますし、どんなに大きな音でも特に気に留めない方もいます。

ただ、一般的には50dB程度までが快適な環境とされています。
60dB以上になると、会話がしにくくストレスを感じやすくなります。

70dbを超えると、多くの人が明確に『うるさい』と感じやすくなります。
ライブのコンサートなど100dBを超える環境に長時間いると、聴覚機能に異常をきたす可能性もあります。

近隣との騒音トラブルについては、ご近所さんの感じ方次第なところもあります。
目安として、60dBを超えると相手はストレスを感じやすい、ということを覚えておきましょう。

隣の部屋に届く音はどのくらい?

マンションやアパートに住んでいる場合、自分の部屋で鳴らした音は、どの程度漏れているのでしょうか。
隣へ響く音については、鳴らす音の性質や室内の環境にもよりますが、一つの目安として壁の防音性能で考えてみましょう。

まず、単純に固くて重たい壁の方が防音性能は高くなります。

壁の防音性能は、一般的には音響伝達損失(Sound Transmission Loss)という指標で測定されます。
音響伝達損失は、壁を通過する音の減衰をdBで表したものです。

以下は、一般的な壁材の防音性能の目安です。

壁材防音性能(STL)
薄いプラスターボードの壁約25 – 30 dB隣の部屋で60dBの音が発生した場合、30 – 35dB程度で聞こえる
中間レベルの防音性能の壁約35 – 40 dB隣の部屋で60dBの音が発生した場合、20 – 25dB程度で聞こえる
高い防音性能の壁約50 dB以上隣の部屋で60dBの音が発生した場合、10dB以下で聞こえる

ただし、この表はあくまでも目安であり、実際の防音性能は建物や部屋の構造、隣接する部屋の状況などによって異なります。

また、音の種類や周波数によっても防音性能が変わることがあります。
例えば、低い音は高い音よりも壁を通過しやすい傾向があります。

自宅で簡単にできる騒音対策

効果の高い防音対策といえば、防音性能の高い壁にリフォームすることですが、そう簡単に行えるものではありません。
そこでこの章では、自宅で簡単に実践できる騒音対策を3つ紹介します。

  • 家具家電を壁から離す
  • 吸音材を使用する
  • 低反発ラグやカーペットを使用する

1. 家具家電を壁から離す

音は物体の振動から生まれます。
壁に直接強い振動が伝われば、隣の家へも大きな音が伝わりやすくなります。

家具や家電製品の配置を工夫すれば、壁への直接的な振動を減らすことができます。
例えば、スピーカーやテレビを壁から少し離す、ベッドやソファを壁から遠ざけるなどの工夫が考えられます。

2. 吸音材を使用する

吸音材を壁や床に設置すれば、音の反響や伝播を抑えられます。

市販でも吸音パネルや吸音カーテン、吸音マットなどがさまざま販売されています。
隣の部屋と共有する壁や床に吸音材を設置することで、隣の部屋への音の伝わりを軽減することができます。

また、部屋の中の音の反響も抑えることができます。
自宅で音楽制作をする方などには、ほぼ必須のアイテムとなっています。

3. 低反発ラグやカーペットを使用する

床に低反発ラグやカーペットを敷くことで、足音や落下物の音を吸収し、騒音の軽減が期待できます。
また、部屋の中の音の反響も抑えることができます。

記事のまとめ

騒音レベルは「音のうるささ」を表す指標で、デシベルで表現されます。
50dB程度までが快適な環境と捉えるのが一般的な目安です。

騒音の感じ方は個人差があり、小さくても耳障りな音は、ある人には騒音と捉えられる場合もあります。

騒音被害を防ぐには、発する音や防音対策などの配慮も重要ですが、隣人との人間関係もまた重要です。
人となりを理解しあっていれば、騒音レベルの高い音でも「うるさい」と感じない場合もあるでしょう。