【絶対音感と相対音感】違いとそれぞれの音感の鍛え方

執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

絶対音感がどのようなものか、なんとなく理解している方は多いでしょう。
似たような言葉に相対音感がありますが、これは音楽をしている人なら聴いたことがあるはずです。

これらを「なんとなくの理解」で終わらせず、しっかり理解することで、今後の音楽生活をきっと向上させます。

この記事では、絶対音感と相対音感の違いを解説するとともに、それぞれの音感を鍛える方法を紹介いたします。

 

なお、「絶対音感は幼少期の教育でないと身につかない」とする意見が一般的のため、この記事でも『絶対音感の鍛え方』に関しては大人向けの内容にはしておりません。

絶対音感と相対音感の違い

音楽の世界では、「絶対音感」と「相対音感」が存在します。
この『音感』とは、音の高さを判別する能力のことで、いずれもその意味合いは変わりません。

ただ、どのように音を判別するのか、という点に以下のような大きな違いがあります。

  • 絶対音感は、記憶から音の高さを判別する力
  • 相対音感は、ある音同士を比較して高さを判別する地方

以下でそれぞれ解説していきます。

絶対音感は記憶から音の高さを判別する力

絶対音感とは、一度聞いた音の高さを記憶し、その音が再び鳴った時にその音の名前を即座に呼び出す能力を指します。
ある時急に「この音なんでしょう」と一音だけ鳴らされたとしても、その音を判別することができます。

絶対音感にも、音感の強い弱いがありますが、中には複雑な和音の構成音を瞬時に答えられる人もいます。

相対音感はある音同士を比較して高さを判別する力

相対音感とは、基準となる音に対して他の音がどの程度高いか、低いかを感じ取る能力を指します。
絶対音感のように記憶から音の高さを判断するのではなく、基準となる音を一度聞かないと、他の音の高さを答えることができません。

例えば、最初にドの音を聞いた後に、ミの音を聴けば、「長3度上の音っぽいから、ミだな!」と答えることができます。
要は、ある音とある音の音程を正しく認識する能力が相対音感なのです。

絶対音感が身に付くのは何歳まで?

絶対音感の獲得は、早ければ早いほど良いとされています。特に幼少期の敏感期に音楽教育を受けることで、絶対音感を身につける可能性が高まります。

多くの研究で、絶対音感は3歳から5歳までの間に音楽のトレーニングを受けた子供たちによく見られると報告されています。

絶対音感と相対音感、すごいのはどっち?

「絶対音感」も「相対音感」も、音楽を理解し、演奏する上で重要な能力です。
どちらが優れているとは一概には言えません。

絶対音感は旋律を正確に把握し、再現するための能力です。

一方、相対音感はメロディーや和音の関係性を理解し、音楽の全体像を掴むための能力です。

音楽に対する深い理解と感受性を持つためには、これら二つの能力をバランス良く育てることが望ましいです。

絶対音感を鍛える方法

絶対音感を鍛えるには、一定の音を聞き、それが何であるかを正確に把握する練習を行います。

具体的には、ピアノや電子キーボードなどの楽器で、各音を何度も弾き聞き、その音の名前と一緒に記憶します。
音の名前と音色、音の高さを結びつけることで、絶対音感を鍛えることができます。

相対音感を鍛える方法

相対音感を鍛えるには、メロディーの中の音の関係性を理解する練習を行います。

まずは、簡単なメロディーから始め、そのメロディーがどのような音階で構成されているかを理解しましょう。

次に、そのメロディーの中の音同士がどのような間隔でつながっているかを把握します。
これらの練習を通じて、相対音感を鍛えることができます。

まとめ:絶対音感と相対音感、どちらも大切

音楽を奏でる上で、絶対音感と相対音感の両方を持つことは非常に大切です。絶対音感があれば、楽曲の音を即座に認識し、再現することができます。しかし、音楽は単に音を出すだけではなく、音同士の関係性によって美しいメロディーが生まれます。その関係性を理解するためには、相対音感が必要となります。

そのため、どちらか一方だけを鍛えるのではなく、絶対音感と相対音感をバランス良く鍛えることが重要です。
楽器の練習だけでなく、楽譜を読んだり、音楽を聴いたりすることで、絶対音感と相対音感を同時に鍛えることができます。