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【シャッター/優里】コード進行と分析

優里さんのメジャー6作目の配信限定シングルとして2021年7月7日にデジタルリリースされた楽曲。

後悔を歌ったこの曲の良さを最大限に引き出している、エモーショナルなコードワークについて紐解いていきます!

ここからの内容は、er-music編集部の独自の見解になります。 読者様との解釈に相違がある場合も、考え方の一例、また娯楽の一環としてご覧ください。 また、ダイアトニックコードの理解があるとより楽しめるかと思います。 >>ダイアトニックコードについて

全体を通して

この曲の情報

作詞/作曲:優里

キー:F

BPM:75

発売:2021年7月7日

アコースティックギターを基本に、ピアノやおしゃれなエレキギターが光るアレンジ。

構成

Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→落ちサビ→ラスサビ→アウトロ

この楽曲の構成の特徴としては、

・イントロがなく、歌始まり
・4小節という短いBメロを経て、40秒足らずでサビが訪れる
・繰り返しの多い、覚えやすいメロディ
・間奏はなく、シームレスに2サビ→Cメロ→落ちサビへと繋がる

以上のことから、「サブスクに特化した現代的なポップスの要件を多く満たしている楽曲」と考えることができます。

この部分の解釈
今や多くのリスナーがサブスクで音楽を聴いている現代では、「イントロの長い曲はスキップされる」「覚えづらいフレーズや冗長な展開(歌のない間奏など)は飽きられる」など、
いかにコンパクトに、ポップで中毒性のある楽曲を作れるかが重要になっています。
これは代表曲「ドライフラワー」などにも共通している部分で、優里さんは明らかに上記のことを意識して曲作りをされていると思われます。

 

Aメロ

楽譜Aメロ

 

歌のアウフタクトでこの楽曲は始まります。

アウフタクト、しかもボーカルのブレスから曲が始まるというのは良く使われる手法で、
最近の楽曲で言うと、ドラマ「ボクの殺意が恋をした」の主題歌でもあるVaundyさんの「花占い」が該当します。

1~8小節目

コード B♭add9→F→C→Dm7
ディグリ
ー表記
Ⅳadd9→Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm7

 

Aメロでは優里さんの代表曲「ドライフラワー」と同じコード進行が使われています。

アコギを用いて作曲を行うシンガーソングライターらしいコードワークになっていると感じます。

 

Bメロ

楽譜Bメロ

 

1~3小節目

コード B♭add9→C→Dm7→Gm→C→Dm7→B♭add9→C→Dm7
ディグリ ー表記 Ⅳadd9→Ⅴ→Ⅵm7→Ⅱ→Ⅴ→Ⅵm7→Ⅳadd9→Ⅴ→Ⅵm7

 

一拍ごとのコードチェンジが頻出するBメロ。

Aメロと比較してコードの動きが活発になることで、楽曲に躍動感が出てきます。

 

4小節目

コード G7sus4→G7
ディグリ ー表記 Ⅱ7sus4→Ⅱ7

 

ここでこの楽曲初のノンダイアトニックコードが登場します。

G7(Ⅱ7)セカンダリードミナントです。
Ⅱ7Ⅴ7(ドミナント)に対するセカンダリードミナントである為、ダブルドミナントとも呼ばれます。

 

G7sus4(Ⅱ7sus4)G7に向かうsus4コードとなっています。
sus4コードは3度の代わりに4度を用いるもので、3度を4度に「suspend(吊り上げる)」という言葉通りのコードです。

この楽曲で言えば、G7sus4→G7と進行することで吊り上げられていた4度が3度に戻り、解決感が生まれるという仕組みです。

 

サビ

 

シャッターサビ

 

1~4小節目

コード B♭add9→F→C→Dm7→B♭add9→F→C→C♯dim→Dm7
ディグリ ー表記 Ⅳadd9→Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm7→Ⅳadd9→Ⅰ→Ⅴ→♯Ⅴdim→Ⅵm7

 

1~2小節目はAメロと同様のコード進行ですが、4小節目は少し異なっています。

CとDm7の間にC♯dimが入り、C→C♯dim→Dm7(Ⅴ→♯Ⅴdim→Ⅵm7)という、ルートが半音ずつ上昇していくコード進行となっています。

この経過的に使われているdimコードパッシングディミニッシュといいます。

 

この部分の解釈

パッシングディミニッシュを用いることで、自然で滑らかなコード進行を作り出すことができます。

特にJ-POPにおいてはかなり頻繁に使われる進行なので覚えておいて損はないでしょう。

最近の曲では、「ドライフラワー」のサビやback numberの「水平線」のサビなどにも使われています。

 

 

5・6小節目

コード B♭add9→F→A7→Dm7
ディグリ ー表記 Ⅳadd9→Ⅰ→Ⅲ7→Ⅵm7

 

この楽曲における2種類目のセカンダリードミナントコードA7(Ⅲ7)が6小節の頭に使われています。

Ⅲ7に向かうドミナントコードである為、暗く切ない響きをもっています。

 

7~10小節目

コード B♭add9→C→Dm7→C→B♭add9→C→Dm7→F→B♭add9→C→C♯dim→Dm7→B♭add9→C→B♭add9
ディグリ ー表記 Ⅳadd9→Ⅴ→Ⅵm7→Ⅴ→Ⅳadd9→Ⅴ→Ⅵm7→Ⅰ→Ⅳadd9→Ⅴ→♯Ⅴdim→Ⅵm7→Ⅳadd9→Ⅴ→Ⅳadd9

 

一拍ずつコードチェンジを畳みかけるパート。

サビの後半にこれを持ってくることで、気持ちの高まりを表現しているように感じられます。

 

Cメロ

楽譜Cメロ

 

1~8小節目

コード Dm7→B♭add9→F→C→Dm7→B♭add9→Gm→C
ディグリ ー表記 Ⅵm7→Ⅳadd9→Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm7→Ⅳadd9→Ⅱ→Ⅴ

 

リズム的にロックな雰囲気のあるパート。

から始まるコード進行が哀愁を感じさせます。

 

落ちサビ

楽譜落ちサビ

1~4小節目

コード B♭add9→F→C→Dm7→B♭add9→F→C→Dm7
ディグリ ー表記 Ⅳadd9→Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm7→Ⅳadd9→Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm7

 

ピアノと歌のみとなる落ちサビパート。コード進行はAメロと同様にシンプルなもので、落ち着いています。

また、「恋に落ちて」の歌メロの部分。本来「ファソラソファ」のところを、
この落ちサビパートでのみ「ファソ♭ラソファ」とソが半音下がった形で歌われています。

これによって、こみ上げる気持ちを精一杯抑えるような、とても切ないメロディとなっています。

 

5~8小節目

コード B♭add9→F→A7→Dm7→B♭add9→C→D
ディグリ ー表記 Ⅳadd9→Ⅰ→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅳadd9→Ⅴ→Ⅵ

 

7小節目でB♭add9を1小節分白玉で鳴らし、8小節目でC→D と展開。

8小節目のDメジャーコードにしたもの。

もしこれが通常のDm(Ⅵ)であれば、ただ暗い終止感で終わってしまうところですが、
あえて明るい響きのDを持ってくることで、ラスサビに向けた力強さを表現しているように感じます。

また、Dの部分で「ジャッジャッ」とキメが入っていることが、このコードの力強さに拍車を掛けています。

 

ラスサビ

楽譜ラスサビ

1~10小節目

 

今までのサビと同様のコード進行。

クラッシュシンバルとともにB♭add9(Ⅳaddd9)を4拍分白玉で鳴らし、曲の終わりを表しています。

 

10~13小節(アウトロ)

 

アウトロにあたるパート。

静かで切ないピアノソロ。最後は消え入るようにのコードで終わります。

 

まとめ

 

切ないバラードながらもキャッチーで、テーマも構成もきれいにまとまっているこの楽曲。

優里さんは歌い回しも非常に工夫されており、歌詞やメロディに合わせてしっかりと緩急、強弱をつけて歌い上げています。

歌詞・メロディ・歌い方まで含め、改めて聴き込んでみると更に面白いと思いますので、

是非当記事を参考に、より深く研究していただけたら幸いです。

 

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