音名とは?間違えやすい階名と合わせて覚えよう

執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

音楽で使われる音、これを誰かと共有するためには呼び名が必要です。
音の名前である音名を理解して、音楽の学習をスタートしましょう。

音名とは

音楽に使われるには『音名』という名前が付けられています。
例えば、下の音には「ド」と言う音名がついています。
みなさまご存じの「ドレミファソラシ」の「ド」です。

 

ドレミファソラシ」はイタリア式の音名であり、日本式は「ハニホヘトイロハ」です。

日本
イタリアDoReMiFaSolLaSi
フランスDo(Ut)ReMiFaSolLaSi
ドイツCDEFGAH
イギリスCDEFGAB
アメリカCDEFGAB

音名の使い分け

クラシックを学んでいる方は、ドイツ式で学ぶことがほとんどでしょう。
ジャズをはじめ、ポピュラーミュージックではアメリカ式の音名がよく使われます。

学校の音楽の授業などでは、「ドレミ〜」とイタリア式の音名が使われたりします。
これは、後に解説する階名としての使い勝手がいいからでしょう。

幹音と派生音

楽譜の上で、♭や#などの変化記号がつかない音を幹音、変化記号がつくものを派生音と言います。

幹音と派生音

派生音名一覧(#がついて半音下がった音

日本嬰ハ嬰ニ嬰ホ嬰ヘ嬰ト嬰イ嬰ロ
イタリアDo
diesis
Re
diesis
Mi
diesis
Fa
diesis
Sol
diesis
La
diesis
Si
diesis
フランスDo(Ut)
dièse
Re
dièse
Mi
dièse
Fa
dièse
Sol
dièse
La
dièse
Si
dièse
ドイツCisDisEisFisGisAisHis
イギリスC sharpD sharpE sharpF sharpG sharpA sharpB sharp
アメリカC sharpD sharpE sharpF sharpG sharpA sharpB sharp

 

派生音名一覧(♭がついて半音下がった音)

日本変ハ変ニ変ホ変ヘ変ト変イ変ロ
イタリアDo
bemolle
Re
bemolle
Mi
bemolle
Fa
bemolle
Sol
bemolle
La
bemolle
Si
bemolle
フランスDo(Ut)
bèmolle
Re
bèmolle
Mi
bèmolle
Fa
bèmolle
Sol
bèmolle
La
bèmolle
Si
bèmolle
ドイツCesDesEsFesGesAsB
イギリスC flatD flatE flatF flatG flatA flatB flat
アメリカC flatD flatE flatF flatG flatA flatB flat

 

派生音名一覧(##がついて半音下がった音

日本重嬰ハ重嬰ニ重嬰ホ重嬰ヘ重嬰ト重嬰イ重嬰ロ
イタリアDo
doppio
diesis
Re
doppio
diesis
Mi
doppio
diesis
Fa
doppio
diesis
Sol
doppio
diesis
La
doppio
diesis
Si
doppio
diesis
フランスDo(Ut)
double
dièse
Re
double
dièse
Mi
double
dièse
Fa
double
dièse
Sol
double
dièse
La
double
dièse
Si
double
dièse
ドイツCisisDisisEisisFisisGisisAisisHisis
イギリスC double
sharp
D double
sharp
E double
sharp
F double
sharp
G double
sharp
A double
sharp
B double
sharp
アメリカC double
sharp
D double
sharp
E double
sharp
F double
sharp
G double
sharp
A double
sharp
B double
sharp

 

派生音名一覧(♭♭ついて半音下がった音)

日本重変ハ重変ニ重変ホ重変ヘ重変ト重変イ重変ロ
イタリアDo
doppio
bemolle
Re
doppio
bemolle
Mi
doppio
bemolle
Fa
doppio
bemolle
Sol
doppio
bemolle
La
doppio
bemolle
Si
doppio
bemolle
フランスDo(Ut)
double
bèmolle
Re
double
bèmolle
Mi
double
bèmolle
Fa
double
bèmolle
Sol
double
bèmolle
La
double
bèmolle
Si
double
bèmolle
ドイツCesesDesesEsesFesesGesesAsesBes
イギリスC double
flat
D double
flat
E double
flat
F double
flat
G double
flat
A double
flat
B double
flat
アメリカC double
flat
D double
flat
E double
flat
F double
flat
G double
flat
A double
flat
B double
flat

階名との違い

音階は、ある音に対して付けられた名前ですので、どの楽曲でも「C(ド)」は「C」であり、「G(ソ)」は「G」です。

音名唱法

対して階名は、いつでも音階の主音を「ド」として、そこからスタートする呼び方です。
日本では一般的に、階名にはイタリア式の「ドレミファソラシ」を用います。

※長音階の場合は主音を「ド」、短音階の場合は主音を「ラ」とします。

階名唱法

下の鍵盤図のマークはDの長音階(Dメジャースケール)なので、Dを「ド」として順番に読んでいきます。

音名でなく階名で歌う方法を階名唱法といいます。
また、音階に応じて「ド」の位置を変える階名唱法を「移動ド唱法」と言います。

前述の音名で歌う方法は「固定ド唱法」と言います。

えるるん
『イタリア式の「ドレミ」で言う時は階名。アメリカ式の「CDE」なら音名。』
と、区別している人もいるけど、音名に「ドレミ」を使う人もいるので混乱しない様にしよう!