BPMとテンポの違いは?心地よいテンポはどのくらい?

執筆者: 中学2年生でギターを始め、高校卒業後、音楽専門学校へ入学しギターと音楽理論の基礎を学ぶ。 自身のバンドやサポート、セッションホストとしての活動をしていたが、現在はIT企業でのWEBメディア編集が主となっている。 ー監修(er-music編集部)ー エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

 

BPMとテンポの違い

テンポは、曲の速さを表す用語です。
曲を演奏する人は、このテンポに従って演奏します。

演奏者に「どのくらいのテンポなのか」を伝える方法はいくつかあり、その方法の一つがBPMです。

BPMとは、1分間にならす拍数を指定するものです。
例えば、BPM60の場合は1分間に60拍、BPM120の場合は1分間に120拍となるため、ちょうど倍の速さとなります。

楽譜ではBPMを以下の様に記載します。

BPMの例

BPM以外のテンポ表現

「どのくらいのテンポなのか」なのかを伝える方法はBPMだけではありません。
最近ではBPMが一般的ですが、昔は速度標語という言葉でテンポを表現していました。

以下は代表的な速度標語です。
(最右列は、BPMに直したらどの程度かを表した目安です。)

表記 意味 BPMの目安
Largo(ラルゴ) 幅広くゆるやかに ♩=40~50
Lento(レント) おそく,のろまに ♩=50~56
Adagio(アダージョ) ゆっくりと ♩=56~63
Andante(アンダンテ) 歩くような速さで ♩=63~76
Moderato(モデラート) 控えめ,適度なスピードで ♩=76~96
Allegretto(アレグレット) やや快速に ♩=96~120
Allegro(アレグロ) 快速に ♩=120~152
Vivace(ヴィヴァーチェ) 活発に ♩=152~176
Presto(プレスト) 急いだスピードで ♩=176~192

BPMよりもアバウトな表現ではありますが、演者の解釈や個性が反映でき豊かな表現ができます。

Andanteはゆったりと歩いているような速度感で、これと近しいBPMであれば、心地よく落ち着いたバラードも作れます。

今でもクラシック音楽の楽譜には、こうした速度標語が使われています。

BPMとメトローム

BPMは、1分間になる拍数を数字で指定します。
ただ、数字で120と言われても具体的などの程度か分かりません。

そこで、指定したBPM通りに音を鳴らす機械であるメトロームを利用することで、テンポを明確に把握できます。

19世紀にヨハン・ネポムク・メルツェルによって発明されたメトローム(メルツェルズメトローム)ですが、今ではスマホアプリでも無料利用できるほど進化しました。

ウィットナー製メトロノーム

引用:Amazon.co.jp

まとめ

テンポは曲の速さを表す用語で、テンポを伝える方法としてBPMがあります。
また、テンポは他にも「Largo」や「Andante」の様な言葉で伝える方法もあります。

言葉での伝え方はBPMに比べると曖昧で、個人の捉え方でそれぞれテンポ感が異なったりします。
そのため、現在はBPMを基準にやり取りすることがほとんどです。

楽譜では当たり前のようにBPMの表記がありますし、スタジオなどでの意思疎通も「BPM120くらいで〜」といったりします。

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