BPMとテンポの違い
テンポは、曲の速さを表す用語です。
曲を演奏する人は、このテンポに従って演奏します。
演奏者に「どのくらいのテンポなのか」を伝える方法はいくつかあり、その方法の一つがBPMです。
BPMとは、1分間にならす拍数を指定するものです。
例えば、BPM60の場合は1分間に60拍、BPM120の場合は1分間に120拍となるため、ちょうど倍の速さとなります。
楽譜ではBPMを以下の様に記載します。
BPM以外のテンポ表現
「どのくらいのテンポなのか」なのかを伝える方法はBPMだけではありません。
最近ではBPMが一般的ですが、昔は速度標語という言葉でテンポを表現していました。
以下は代表的な速度標語です。
(最右列は、BPMに直したらどの程度かを表した目安です。)
表記 | 意味 | BPMの目安 |
---|---|---|
Largo(ラルゴ) | 幅広くゆるやかに | ♩=40~50 |
Lento(レント) | おそく,のろまに | ♩=50~56 |
Adagio(アダージョ) | ゆっくりと | ♩=56~63 |
Andante(アンダンテ) | 歩くような速さで | ♩=63~76 |
Moderato(モデラート) | 控えめ,適度なスピードで | ♩=76~96 |
Allegretto(アレグレット) | やや快速に | ♩=96~120 |
Allegro(アレグロ) | 快速に | ♩=120~152 |
Vivace(ヴィヴァーチェ) | 活発に | ♩=152~176 |
Presto(プレスト) | 急いだスピードで | ♩=176~192 |
BPMよりもアバウトな表現ではありますが、演者の解釈や個性が反映でき豊かな表現ができます。
Andanteはゆったりと歩いているような速度感で、これと近しいBPMであれば、心地よく落ち着いたバラードも作れます。
今でもクラシック音楽の楽譜には、こうした速度標語が使われています。
BPMとメトローム
BPMは、1分間になる拍数を数字で指定します。
ただ、数字で120と言われても具体的などの程度か分かりません。
そこで、指定したBPM通りに音を鳴らす機械であるメトロームを利用することで、テンポを明確に把握できます。
19世紀にヨハン・ネポムク・メルツェルによって発明されたメトローム(メルツェルズメトローム)ですが、今ではスマホアプリでも無料利用できるほど進化しました。
まとめ
テンポは曲の速さを表す用語で、テンポを伝える方法としてBPMがあります。
また、テンポは他にも「Largo」や「Andante」の様な言葉で伝える方法もあります。
言葉での伝え方はBPMに比べると曖昧で、個人の捉え方でそれぞれテンポ感が異なったりします。
そのため、現在はBPMを基準にやり取りすることがほとんどです。
楽譜では当たり前のようにBPMの表記がありますし、スタジオなどでの意思疎通も「BPM120くらいで〜」といったりします。
現代のポピュラー音楽は、ほとんどBPMという数字で表したテンポが決まっています。 音楽の勉強や作曲をする際、「曲の演奏時間を求めたい」「演奏時間に応じた小節数を計算したい」といった場面によく出くわします。 わかる限りの情報で、知りた[…]