音階においては、それぞれの音に名前や特徴があります。
今回は、音階の中でも最も重要な名前の『主音』について解説するとともに、音階における各音の名称を紹介します。
主音とは
主音とは、ある音階の基準となる音のことで、英語でTonic(トニック)といいます。
例えば、Cの長音階では「C」が主音となります。
主音はその音階の基盤となり、安定感や帰着感をもたらします。
多くの楽曲で、曲の終わりや区切りの部分で主音に戻り、落ち着きや区切りをつけています。
でも、Dの長音階ではDが主音になるから、Dに安定感を感じる。
どの音に落ち着く雰囲気があるかは、その場その場で変わるってことだね!
主音以外の音の名前と特徴
主音は音階の基準です。
主音以外の音は、主音との音程差によって特徴・役割が生まれます。
「主音からどれほど近いのか、遠いのか」で聞こえ方が異るのです。
この章では、主音以外の音の名称と特徴を解説します。
- 主音(Tonic)
- 上主音(Supertonic)
- 中音(Mediant)
- 下属音(Subdominant)
- 属音(Dominant)
- 下中音(Submediant)
- 属音(Leading tone)
上主音(Supertonic)
上主音は、音階の2番目の音、主音の一つ上の音になります。
英語では、Supertonnic(スーパートニック)と言います。
中音(Mediant)
中音は、音階の三番目の音です。
英語ではMediant(ミディアント)と言います。
音階に、明・暗といった性格をつける重要な音です。
明るく聞こえる長調は、中音が主音から長3度であるのに対し、暗く聞こえる短調は、中音が短3度になります。
下属音(Subdominant)
下属音は、音階の4番目の音です。
英語では、Subdominant(サブドミナント)と言います。
下属音は、主音から完全4度の音程にあります。
完全4度はよく調和する音程で、主音と属音の次に、音階を支える重要な音です。
そのため下属音と言われているよ!
属音(Dominant)
属音は、音階の5番目の音です。
英語では、Dominant(ドミナント)と言います。
主音から完全5度の音程にある属音は、主音の次に音階を支える重要な音です。
完全4度(下属音)と、完全5度(属音)は完全協和音程と呼ばれる、非常に調和のとれた音程です。
下中音(Submediant)
下中音は、音階の6番目の音です。
英語では、Submediant(サブミディアント)と言います。
中音ほどの力ではありませんが、音階の性格を左右する音です。
中音は、主音から長3度の音程だと明るく、短3度の音程だと暗く聞こえました。
下中音は、下属音から長3度の音程だと明るく、短3度の音程だと暗く聞こえます。
導音(Leading tone)
導音は、音階の7番目、主音の半音下にある音です。
英語では、Leading tone(リーディングトーン)と言います。
緊張感があり、主音へ強く引き寄せられるような働きがあります。
短音階における七番目の音の名称
長音階は、主音の半音下に導音があります。
この半音の音程だからこそ、「導く音」としての働きが生まれています。
一方で、短音階(あるいはドリアンモードなど他の旋法)では、第7音が主音の全音下にあります。
この音は、下主音、英語でSubtonic(サブトニック)と呼ばれています。
導音ほど主音へ導く力は少なく、短調の楽曲内では、状況に応じて上主音を一時的に導音に置き換えた音階が使われます。
まとめ
音楽の魅力は、さまざまな音の関係性や動きの中にあります。
主音を中心に、上主音、中音、下属音、属音など、各音が持つ特徴を理解することで、より高度に音楽を分析し、魅力に気づくことができるでしょう。