音の3要素とは何?音楽の理解に欠かせない基礎知識

執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

音楽はさまざまな音の組み合わせてできています。
今回は、このについて深掘りしていきます。

音を理解するには、音を形作る3の要素(音の三要素)を理解していく必要があります。

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音の三要素とは

音の三要素とは、『音の高さ』『音の強さ(大きさ)』『音色』という三つの要素が合わさってできています。

これは音楽にだけ言えることではなく、生活している中で聴こえる音も、こうした三つの要素でできています。

音の三要素

そもそも、私たちが耳にする音は、物が発する振動によって生まれます。
物の振動が空気を振動させ、空気の振動を耳の鼓膜が拾って音が聞こえるのです。

高さ・強さ・音色は、振動の仕方の違いによって決定付けられます。

それぞれの要素について解説していきます。

高さ

音の高さは、振動の速さで決まります。
振動が早いほど高い音が。振動が遅いほど低い音がでます。

下の図は、振動の波形図です。
波形が小刻みなほど、振動が早く、高い音になります。

高い音と高い音の振動数の比較

また、1秒間に何回振動するかを表す単位に、Hz(ヘルツ)があります。

音楽では、440Hz(1秒間に440回の振動)をA(ラ)音と基準付けています。
例えば、450Hzであればわずかに高い音が鳴るわけです。

ピアノは鍵盤を押すと、中のハンマーが弦を叩いて振動を生み、音にしています。
A(ラ)の鍵盤を押せば440回の振動数の音が出る様に計算されているのです。

鍵盤の周波数

えるるん
人間に聞こえるのは低くて15〜20Hz、高くて10000〜20000Hz程度!

強さ(大きさ)

音の強さ(大きさ)は、振動の大きさにより決まります。
言い換えると、振動するエネルギーが大きいほど音も強くなります。

太鼓を弱く叩くのと、強く叩くのでは、音の大きさはことなりますよね。

下の図は、先ほども登場した振動の波形図です。
『音の高さ』は横軸の差でしたが、音の大きさは縦軸の差が重要です。

小さい音と大きい音の振幅の違い

えるるん
実際に耳で聴く音が大きいか小さいかは、さまざまな理由に左右されるよ。
例えば、「距離が遠い」「遮蔽物がある」などの環境では、耳に届くまでに振動のエネルギーが減衰して小さく聞こえるんだ。

音色

音色は、音に含まれる倍音によって決まります。
倍音のによって波の形が異なり、違う音色に聞こえます。

倍音とは
例えば、ピアノでA(ラ)を弾いた時、鳴っている音は一つだけではありません。
実際には、A(ラ)の音の周波数(440Hz)の2倍、3倍…の音がうっすらと鳴っているのです。
弾いたA(ラ)を実音と言うのに対し、こうした2倍、3倍…と同時に鳴る音を倍音と言います。
波形から見る音色の違い

倍音の出方は、楽器の形状や材質などによって異なります。
例えば、ギターには様々な形があります。もちろんデザイン性を追求したものもありますが、楽器本体の形状が異なれば、倍音の出方も異なります。

この倍音の違いが、音色の違いとして聴こえるのです。

まとめ

空気の振動、振動数、振幅、などの言葉が出てくると、とってもお勉強感が増しますね。

『音楽には感性』も大事ではありますが、その土台は、物理的な現象がもたらす『音』なのです。

余談ですが、イギリスのロックバンドQUEENのギタリスト『ブライアン・メイ』は、天体物理学博士としても活躍しています。
物理への探究が、音楽制作に通ずるところも多いのかもしれません。