必ずではありませんが、JPOPの多くにはCメロが存在します。
このCメロとは、どこのことを指していて、どんな役割があるのでしょうか。
この記事では、Cメロがどういったセクションなのか、またヒット曲から見るCメロの効果的な使い方を見ていきます。
Cメロとはどんなセクション?
Cメロとは、AメロとBメロ、サビより後にくる歌唱セクションです。
最後のサビ(大サビ、ラスサビ)の前に置かれることが多く、「溜め間」や「違和感」を感じさせ、最後のサビの盛り上がりを高める役割があります。
下図は、一般的なJPOPのセクション構成です。
一番(ワンコーラス)の後、間奏を挟み二番へ。
二番の後、ソロパート(間奏)などを挟んでCメロに行き着きます。
Cメロのパターンは大きく分けて2つ
Cメロのパターンを大きく分けると以下2つになります。
- 1.それまでの世界観や勢いにのっとったもの
- 2.変化が強く、これまでとは反対の印象や違和感を感じるもの
『1.それまでの世界観や勢いにのっとったもの』は、これまでの流れを殺さないため、後のラスサビまでスムーズな接続となります。
『2.変化が強く、これまでとは反対の印象や違和感を感じるもの』は、例えば「明るい曲だったのに暗いセクション」「転調やノンダイアコードで違和感の強いセクション」などです。時に、別の世界に迷い込んだ違和感や新鮮さを感じさせます。
上記2つのパターンを表現する方法はさまざまです。
メロディーやコード進行、調やリズム、楽器などを変えて他とは違うCメロを作り出します。
次の章では、ヒット曲を参考に、さまざまなCメロの表現方法を見ていきます。
ヒット曲からみるCメロの使い方
ここでは、日本のヒット曲を参考にCメロがどの様に使われているのか見ていきます。
前章の分け方をするなら、上の楽曲から『1』に近く、下に行くほど『2』の要素が強くなっていきます。
- 115万キロのフィルム/official髭男dism
- 春の歌/スピッツ
- HANABI/Mr.Children
- 三日月/絢香ノンダイアトニックで
- 愛を込めて花束を/Superfly荒々しくなる
- 白日/King Gnu
- 感電/米津玄師
115万キロのフィルム/official髭男dism
爽快なリズムの二番サビからCメロに突入します。
特徴はサビの勢いが全く落ちない部分。逆にCメロ入りはサビよりも演奏が激しく高揚感があります。
盛り上がりはありますが、サビとは違い不安定なコードで開始することで、サビとは明確に差別化されています。
サビは前向きである一方、Cメロの前半は「ヤケクソ!」な雰囲気です。
その後Cメロ後半部では落ち着き、サビを一層盛り上がるものに仕立てています。
HANABI/Mr.Children
サビは、切なさこそあれど力強くも感じるセクションでした。
二番サビ後に現れるCメロは、ゆったりとしたリズムで穏やかに感じるセクションです。
またコード進行は、オンコードやノンダイアトニックコードで、どこか安定感のないものとなっています。
サビと力強さとは全く反対で、安らぎを感じるパートです。
その後、半音上へと転調し、ラスサビに行き着きます。
春の歌/スピッツ
全体的に程よく疾走感があって、かつ爽やかな曲調です。
二番サビの後に現れるCメロは、暗めのコード進行でかつ、音符の眺めなメロディーでゆったりと落ち着きあります。
これまでの疾走感とか爽やかさとは、反対の雰囲気であり、次のセクション(間奏)に回帰した際には強い安心感を覚えます。
三日月/絢香
全体的に落ち着いたで、切な恋模様を感じさせる楽曲です。
二番サビ後に現れるCメロは、ドラムが入り徐々に盛り上がりを見せていくセクションです。
Dメジャーキーの楽曲ですが、コード進行はC(♭VII)から始まります。
落ち着かずソワソワとした印象になり、早く安心したい気持ちにかられます。
次に強く落ち着きを感じられるのはサビなため、Cメロの間は、サビへの期待が増していきます。
愛を込めて花束を/Superfly
カノン進行が土台にあり、穏やかで美しさを感じる楽曲です。
Cメロは一転、荒々しいロックなセクションとなっています。
とても盛り上がるセクションですが、これまでとはまったく違う雰囲気を感じるセクションです。
例えば、「表向きの顔と本当の自分」の様な、対局的な意味合いを感じるのではないでしょうか。
Cメロは盛り上がりこそしますが、異端な存在なので次にサビへ進んだ時は、強く安心感を覚えます。
Cメロの熱々な温度感と違和感を落ちサビが全て吸収し落ち着かす。
ラスサビは、Cメロを抜桁ことで感じる『安心感』と、落ちサビから高まっていく『高揚感』で最大の盛り上がりを見せているね!
白日/King Gnu
あらあら強いギターソロが特徴的な間奏を抜けて、Cメロへと行き着きます。
Cメロは本来のキーから転調しており、全く違う雰囲気を醸し出しています。
これまでになく穏やかで、別の境地へ辿り着いた様な印象です。
例えば、日々感じている『不安』や『焦燥感』から解き放たれた様な安らぎを感じます。
この楽曲は緊張感を感じるコード進行も多く、また暗い進行が多くの割合を占めます。
こうした安らぎを感じるセクションが息抜きとなり、次のサビへ向かう余力を生んでいます。
感電/米津玄師
軽やかに前々へと進んでいく様な心地のいいリズム終止続いています。
コード進行も4度進行が多く使われていて、軽やかな推進力を生んでいます。
2サビの後にくるCメロは、もはや調整感が破綻している様な違和感たっぷりのセクション。
ここまでの心地い軽やかさは消え失せ、足元が非常に不安定で、不安感を強く感じます。
聴者は、早く元の安定感あるセクションに戻ってほしいと、緊張と期待を募らせていきます。
Cメロの後は一瞬のブレイクを挟むことで、期待感を焦らし、ラスサビへ到達します。
まとめ
一般的に、ラスサビの前に置かれることが多いCメロですが、場合によっては間奏前に置かれることもあります。
どの場合でも、大抵は最後のサビで最高の盛り上がりを演出するための橋渡し、繋ぎのとしての役割を持ちます。
そのため、英語的では「Cメロ」ではなくBメロ同様「Bridge(ブリッジ)」と表現したりします。
さまざまなヒット曲を参考に、Cメロのアイデア、その後のサビの活かすテクニックを学んでみてください。
【Q&A】記事のおさらい