『ドミナントコード』とセットで出てくることが多い『トライトーン』という用語。
実はこのトライトーン、「音楽の悪魔」などと呼ばれるほど不協和な音程を指しているんです。
トライトーンがどういったものか、どんなシーンで使われているのか詳しく確認していきましょう。
トライトーンとは
トライトーンとは、全音3つ分の音程をさします。とても不安定な響きで、それぞれの音が狭まる様に、あるいは遠ざかる様に半音隣の音へ進もうとします。ドミナントセブンスにも含まれている音程で、トライトーンの不安定な響きが、トニックへ進行した際の強い解決感を生み出します。
(こちらは、次の項で解説します。)
3全音(全音3つ分)は、言い換えれば半音6つ分の音程です。
例えば、ファからシはトライトーンの関係にあり、非常に不協和な響きがします。
2章では、トライトーンが使われる場面(使われているコード)について解説していきます。
トライトーンが解決する動き
トライトーンは非常に不安定な響きなので、次に安定したコードへと進もうとします。
その時の安定感、落ち着いた様子を「解決感」と言います。
この解決感が生み出されるのは、トライトーンがトニックコードの構成音へと半音で解決することで生まれます。
トライトーンの2音は、「それぞれの音が狭まるように半音づつ」あるいは「それぞれの音程が遠ざかるように半音づつ」動き解決します。
コラム:音楽の悪魔について
トライトーンの始まりは中世の時代。
当時は、トライトーンは最も不協和な音程とされていて、「音楽の悪魔(悪魔の音程)」と言われるほどでした。
そんな、禁則とされていたトライトーンが使われ始めたのはバロック期あたり。主に古典派の音楽には盛んに取り込まれるようになってきました。主にドミナントセブンスといった形で。
トライトーンを利用された身近なコード
中世の時代忌み嫌われていたトライトーンですが、現在となってはその不安定さを上手く取り込み、曲の展開・ストーリ性引き立てています。
今回は、トライトーンが主にどんなコードで使われているのかを確認していきます。
ドミナントセブンス
C7やD7、A7もB♭7など、ドミナントセブンスの構成音のうち3度と7度はトライトーンの響きを形成しています。
非常に不安定な響きですので、その後ほとんどの場合でトニックへとドミナントモーションをしていきます。
ディミニッシュ
ディミニッシュコードは、短3度づつ音を積み重ねた3和音です。
さらにもう一音加えたディミニッシュセブンスコードは、トライトーンを2つもつコードです。
ドミナントセブンスコードの代理、またはパッシングディミニッシュ的に使われることが多く、その場合半音上のコードへと進んでいきます。
それぞれが、次のコードの構成音へ半音づつ移動していきます。