【コンファメ進行】ジャズ・アニソン・JPOPの定番コード進行を解説

執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

曲をコピーしていると、似たような動きのコード進行がいくつかあることに気づきます。
こうした共通する定番のコード進行には愛称がある場合もあります。

今回は、アニソンでもよくあらわれるコンファメ進行こと、コンファメーション進行を解説していきます。

「コード進行」を詳しく理解したい方は、コード進行とは?をご覧ください。

コンファメーション進行

コンファメーション進行は、チャーリー・パーカーのコンファメーションという楽曲に由来するコード進行です。
キーはFで、『F→Em7-5→A7→Dm7→(G7)→Cm7→F7→』の進行です。(コンファメ進行を扱う際にG7は省略されやすい)
ディグリー表記にすると『I→VIIm7-5→III7→VIm7→(II7)→Vm7→I7→』となります。

このうち、ドミナントモーションが複数行われているので、それを考慮すると、『I→VIIm7-5→V7/VI→VIm7→(V7/V7)→Vm7→V7/IV→』といった進行であると言えます。

以下はコンファメーションのコード進行です。

 

コンファメーション楽譜

大枠は、カノン進行に近く、ジャズらしくツーファイブモーションを増やした形となっています。
F7はB♭(IV)へと進むセカンダリードミナントとなっています。

コンファメーション進行の特徴

カノン進行に比べツーファイブモーションの強い推進力が感じられます。
躍動的で、感情の起伏の激しさが感じられます。

『VIm』に対して、マイナーツーファイブをとるため、暗い響きが増します。
その後、『IV』へのメジャーツーファイブが、明るさを取り戻します。
暗く落ち込ませた後、『IV』への動きで安らぎと落ち着きを与えているように感じます。

原曲は『IV7』に行きつくため、『IV』『IVM7』へ進行する場合に比べ、少しブルージーで明るくは感じにくいでしょう。
JPOPやアニソンで、『IV7』に進行する例はほとんどなく、『IV』『IVM7』が使われます。

コンファメーション進行が使われた楽曲

コンファメーション進行が使われた楽曲を紹介します。

ハナミズキ/一青窈

ハナミズキは、Aメロがカノン進行となっています。
サビのコード進行がコンファメーション進行に当たりますが、Aメロからの流れから、カノン進行を発展させて作っている様子を感じられます。

Aメロのスローな印象に比べ、ドミナントモーションによる推進力で躍動感が現れています。

ハナミズキの楽譜

Pretender/official髭男dism

イントロからコンファメーション進行を感じさせます。

ここではサビのコード進行を見ていきます。
コンファメーション進行は、VImに対してマイナーツーファイブワンが行われるのが一般的で、カノン進行よりも”暗さ”が際立ちます。

この曲でも、VImの持つ暗さが顕著に表れていますが、ただ『VIIm7-5』を使わずに『E♭/G』というカノン進行よりの進行をとっています。
『VIIm7-5』が来た時点でVImへの動きをイメージしやすい純粋なコンファメーション進行に比べ、『A♭→E♭/G』の明るい響きから、『C7/E→Fm7』暗い響きの転換が急で際立っています。

この部分の歌詞でも『君の運命の人は僕じゃない』とありますが、コード進行にも強く裏切られた感覚を感じます。

pretender楽譜