【4563進行(IV→V→VIm→IIIm)】定番コード進行の特徴と使用例

執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

定番コード進行を解説する本コーナー。
今回は、4563進行(IV→V→VIm→IIIm)進行を見ていきましょう。

『コード進行』がよくわからない方は、コード進行とはをご覧ください。

4563進行(IV→V→VIm→IIIm)のコード進行の特徴

『IV→V→VIm→IIIm(4563)』進行は、以前紹介しました『I→IV→V→VIm(1456)』進行を、IVからスタートし、Iを代理コードのIIImに変えた進行です。

王道進行(4536)にも似ている進行で、メジャーのトニック(I)が登場しません。
マイナーキー想定のコード進行とも考えられます。

4563進行

 

コード進行の印象

『I』に進行せず、暗めな雰囲気に包まれています。
『IIIm』は『I』の代理コードではありますが、解決感は感じにくいでしょう。
ルートがIVからVIまであがっていき、IIIに落ちることもあって、尻すぼみな印象になります。

えるるん
暗くて、不安を抱えているような雰囲気を感じたよ。
『辛いことがあって、悔しく感じている』様な描写なんかにはぴったりかも!
IV→V→VIの上行があるので、IIIの置き方を考えれば力強さも現れるね!

4563進行(IV→V→VIm→IIIm)を使った楽曲

実際のヒットソングを参考に、4563進行の雰囲気を掴んでいきましょう。

  • 恋だろ/WACCI
  • SAYONARAベイベー/加藤ミリア
  • それでは、また明日/ASIAN KUNG-FU GENERATION

SAYONARAベイベー/加藤ミリア

この楽曲は、基本4563進行の繰り返しで作られています。
4つ打ちビートの推進力と相まって力強さもありますが、やはり悲しげです。

SAYONARAベイベー楽譜

恋だろ/WACCI

サビのコード進行を見てみましょう。
最後のIIImが、Iの第一転回系(E/G#)となっているため、若干安定感がました進行となっています。
このパターンもよく使われます。

恋だろ楽譜