「長調と短調」違いは何?特徴や見分け方を解説

  • 2023年10月22日
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調』とは、その音楽がどの音を中心(主音)とした、どんな音階で作られているかを示すものです。

音階が、長音階であれば『長調』。
音階が、短音階であれば『短調』となります。

今回は、実際の楽曲例を交えつつ、長調・短調について詳しく解説していきます。

長調と短調の違い

長調と短調の違いは、使われている音階違いです。

例えば、中心となる音(主音)をハ(C・ド)とした長音階で作られている楽曲は『ハ長調』となります。
ハの短音階で作られている楽曲は、ハ短調となります。

*「使わている音階」といっても、必ずしも決められた音階の音しか使われないわけではありません。その音階が軸となり楽曲が作られているイメージです。

長音階で作られる『長調』

主音からなる長音階で作られていれば長調です。

長音階は、主音から『全音全音半音全音全音全音半音』の順で並べた7音の音階です。

『3音目と4音目』『7音目と8音目』の音程だけ半音になります。

短音階で作られる短調

主音からなる短音階で作られている楽曲などの調は、短調です。

短音階は、主音から『全音半音全音全音半音・全音全音』の順で並べた7音の音階です。

『2音目と2音目』『4音目と6音目』の音程だけ半音になります。

ハ短調

 

長調と短調どちらか見分ける方法と楽曲例

楽譜に調号がない場合、その楽曲の調は『ハ長調』と『イ短調』のどちらかになります。
要は、調号を見ただけでは長調か短調かを判断することができません。

長調か短調かを見分けたい際は、以下2点を基準に行いましょう。

  • 曲全体が明るければ長調、暗ければ短調
  • 曲の最初と最初が、主音あるいは主和音である可能性が高い

なんとも感覚的な話ですが、長調の楽曲は全体的に明るく短調の楽曲は暗くなります。
最近のJPOPは明暗の区別がつきにくい曲も多いですが、クラシックはわりと明暗の区別がしやすいかと思います。

雰囲気で判断できない場合は、曲の最初と最初の音に注目しましょう。
曲の最初と最後は主音、主和音である可能性が高いためです。

長調の楽曲例

モーツァルト/きらきら星変奏曲 ハ長調 K. 265

この楽曲はハ長調、あるいはイ短調ですが、出だしから明るく落ち着いた雰囲気があるため、長調の楽曲に感じます。
最初のメロディーもCであるため、ハ長調と考えて間違いないでしょう。

ショパン/夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2

この楽曲は変ホ長調、あるいはハ短調です。
穏やかな曲調から、長調であることは確かでしょう。

最初のメロディーは変ホ長調の主音ではありませんが、低音部は変ホ長調の主和音を奏でています。

短調の楽曲例

バッハ/トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565

この楽曲はヘ長調、あるいはニ短調です。
悲壮感溢れる最初のフレーズで、短調であると想像がつきます。

最初の音こそニ短調の主音ではありませんが、フレーズは主音Dに着地するようにできています。
また最後はニ短調の主和音で終わります。

ベートーヴェン/交響曲 第5番 ハ短調「運命」作品67

この楽曲は変ホ長調、あるいはハ短調になります。

強い衝撃を受けたかのような冒頭のフレーズは、ネガティブな印象があり、短調らしいと感じます。

最後の主旋律はハ短調の主音であるCで終わっていますから、ハ短調と考えられます。

まとめ

「調」は楽曲で軸として使われる音階によって、長調または短調となります。

長音階が使われる長調は、「明るい」「快活」「穏やか」のような曲調に感じられます。
短音階が使われる短調は、「暗い」「悲壮的」「重々しい」のような曲調に感じられます。

長調と短調どちらであるかは、こうした曲の雰囲気から察することができますが、よくわからない場合は楽曲の最初と最後の音に注目しましょう。
最初と最後は、主音や主和音が使われることが多いため、推測に役立ちます。