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【BOY/king Gnu】コード進行と分析

TVアニメ王様ランキングの主題歌であるKing Gnuの『BOY』。

特徴的なコード進行がおおく、聴き慣れない響きにクールさを感じる一曲ですね。

ここからの内容は、er-music編集部の独自の見解になります。 読者様との解釈に相違がある場合も、考え方の一例、また娯楽の一環としてご覧ください。 また、ダイアトニックコードの理解があるとより楽しめるかと思います。 >>ダイアトニックコードについて

全体を通して

この曲の情報

作詞/作曲:常田大希

キー:C

BPM:110

発売:

コードの特徴

この曲に限ったことではありませんが、King Gnuの作品はどれも、Jpopではあまり使われていないノンダイアトニックコードが使われています。

こうした僕たちが聴き慣れないコードを利用することにはさまざまなメリットがあります。

  • 唯一無二な楽曲となる
  • マンネリ回避
  • センスを感じる
  • 次の進行を予想させない

(前半3つはほぼ同じようなことを言っていますが…)

次の進行やメロディーを予期させないため、終始ワクワク感じますし、驚きを感じ惹きつけられますよね。

Aメロ・サビでは、不思議な響きのするコードもありますが、Bメロは落ち着いたセクションなので相応してシンプルなものになっています。サビのインパクトがいっそうましますね。

定番Jpopにももちろん良さはありますが、中には曲の展開が予想でき退屈に感じることも。
King Gnuの曲を初見で聴いて、『退屈』と思うことなんてほとんどないのではないでしょうか。

ポイント
複雑なコードが使われていますが、進行のパターンは3つだけ。
  • サビ(イントロ1やアウトロ)の1パターン
  • Aメロ(間奏やソロ)のパターン2
  • Bメロのパターン3
聴き慣れない進行でも、一曲が終わる頃には耳も慣れ、自然でよりカッコ良く聞こえるようになっています。
ノンダイアトニックコードとか、変拍子とか、入れようと思えばいくらでも入れられるのですが、やりすぎるとそれはpopsではなくなってしまいます。ちょうど自然で心地いい塩梅をとっているのです。

演奏の特徴

クラシックな雰囲気も感じるストリングスが特徴的ですね。イントロやサビではクラシックギターの音もよく聞こえ、アレンジのテーマ性が見えて来ます。

よく「芸術は創造と破壊」ってききますが、2サビ終わりのソロは丁度破壊の部分に該当するように思います。
サビの美しさを破壊し、また新たに創造していくイメージ。
ソロの尺の長さや、落ちサビが創造までの過程であり、よりラストサビが際立つように感じます。

そう考えると、ラスサビは半音上に転調していますので、今までのサビとはまた別の創造物となっているわけです。

自論です。

イントロ1(サビメロ)

楽譜イントロ1

1小節目

Cメジャーのダイアトニックコードには『Bdim7』は存在しません。

単純にみると、Cハーモニックマイナーから借用してきた『Ⅶdim7』のコードと考えることができます。

ほかに、『Am7』へのセカンダリードミナント『E7』の代理である『G#dim7(=Bdim7)』と捉えることもできます。

えるるん
ディミニッシュセブンスコードは短三度上のディミニッシュセブンスコードと全く同じ構成音となる特徴があるよ!

そのため、Amへスムーズに進むことができています。

er-theory

目次 1 マイナースケールはどんなもの?2 欠点を克服する3つマイナースケール マイナースケールはどんなもの?   マイ…

2小節目

『G→F#→F』とコードが半音ずつ平行移動していることがわかります。

ドミナントであるGコードの時点でCに戻りたい力が働いでいますが、こうした平行下降をすることでスムーズにF(サブドミナント)へと移行しています。

3小節目

『A7』は次のEm7へのセカンダリードミナントです。Em7を一時的なトニックと見立ててドミナントコードに置き換えています。

4小節目

A♭7→G♭7』の進行が特徴的です。

ここもコード1が半音の平行移動をしていますね。

7thコードの形になっているので、このA♭は裏コードと解釈することが出来ます。

裏コードは、GへのセカンダリードミナントD7の代理となるコードで、アプローチ先の半音上のセブンスコードであるのが特徴です。

素直にGに行くよりも、より際立ってCに戻りたい力が強く聞こえますね。

5〜6小節目

繰り返しになります。

イントロ2

楽譜イントロ2

イントロ2は先に続くAメロと同様の進行をしています。

1小節目

イントロはCメジャーキーとしての響きを強く感じましたが、一転、Amでスタートしてマイナーキーのような暗い響きがします。

キーはAmになっているようです。

2小節目

B7』は、次のEm7へのセカンダリードミナントです。

『E♭m7』はEm7を平行移動させたもので、Dm7へアプローチするためのコードです。

3小節目

Dm7→G7』は、トニックCへと解決するツーファイブのモーションです。

この部分の解釈
セカンダリードミナントや平行移動、ツーファイブと、スムーズでクロマチックな動きが特徴的です。
ジャズチックな進行で、お洒落さやクールな印象がありますね。

4小節目

C→Dm→Em』と素直にダイアトニックスケールを駆け上がっていく進行ですが、4拍目は『B♭dim』が出てきます。

AmとB♭dimは、同じ音が1音、半音で隣り合う音が2音ありますので、意外にもスムーズに進行することができます。

この部分の解釈
3拍がシンプルな上昇だったため、その分B♭dimが強い裏切り感を与えます。
コード進行のままに、上げて落とされるような感覚があります。

Aメロ

楽譜Aメロ

Aメロは、イントロと同じ進行なので特にコードについては語る必要はないでしょう。

『C→CM7→B7』『Em7→E♭m7→Dm7』の部分は下降するキメのようになっていますが、うまくメロディの合間を打っていて、より16分のノリが際立ちテンポよく聞こえますね。

Bメロ

楽譜Bメロ

1〜2小節目

Bメロは全体を通して『Am7→G7→FM7』の動きを繰り返します。FM7がシンコペーションしてるので、2小節が一塊のフレーズとなっています。

FM7は偽終止となり不安定なので、「早く先に!」「物語の続きがみたい!」と、なんだかもどかしくも感じます。

この部分の解釈
Bメロは落ち着いたセクションなので、あえてシンプルなダイアトニックコードにしているのだと思います。
イントロやAメロのような、コード進行上での『裏切り』は逆に邪魔になってしまうのでしょう。
Bメロは、静と動でいうなら、静。緩急でいうなら、緩。の役割を果たしています。

サビ

楽譜サビ

ほとんどイントロ1と変わりありませんが、1小節目に『E7』が使われています。

これは、Am7へのセカンダリードミナントです。

この部分の解釈
こうしたドミナントモーションが増えたことで、推進力がうまれ、さらにリズムに勢いが増します。
イントロは、もっとしっとりとしたセクションでしたので、サビとの差別化を図る観点でも、若干コードを変えていると思われます。
実はラスサビでは、ベースが『C→B→B♭→A』と半音下降しています。まるで坂を下るような、重力で落下するような勢いと力を感じ、ラスサビに相応しい盛り上がりをみせています。

まとめ

明るく華やかな美しさと、ロックで暗い力強さが入り混じる楽曲でした。

ジャジーなコード進行と声質が相まってか、クールな印象が強く、泥臭いことを言いながらも気品を感じます。

今回ご紹介しておりませんが、2サビ終わりの間奏ソロセクションは、これまでの美しさを破壊し、新たなサビを構築していくストーリー性が感じられます。

こういった考えも持ちながら、ぜひフルで聴きなおしてみましょう。

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