主要三和音(スリーコード)を意識して作曲のクオリティをあげよう

執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

2つ以上の音が同時になっている状態を和音(コード)と言います。
またある音から、3度の音程で3つの音を重ねた和音を三和音(トライアド)と言います。

ある調の音階上には、7つの三和音を作れますが、ポピュラー音楽ではこれをダイアトニックコードと言います。

例えば、ハ長調はCを主音とする長音階(Cメジャースケール)が軸にできていますが、下図の様にC,E,Gを重ね和音とすればCコードとなります。

メジャースケールからコードを作る図説

この要領で順に三和音を作っていくと、以下の様なダイアトニックコードができます。
(音階の1音目を根音としてできるコードを『I』として順番にローマ数字をつけています。)

ハ長調のダイアトニックコード

 

今回は、ダイアトニックコードの中で重要な3つの和音、『主要三和音』について解説していきます。

主要三和音とは

主要三和音とは、ダイアトニックコードのうち、一番目四番目五番目の和音を指します。
ハ長調の場合は、『C』『F』『G』の和音が主要三和音になります。

ハ長調の主要三和音

主要三和音は、調の中でそれぞれ違う働きを持ちます。
そのため、下記の様な呼び名が分けられており、これを和音の機能と言います。

  • 一つ目の『I』の和音は、主和音(トニカ・トニック)と言います。
  • 2つ目の『IV』は、下属和音(サブドミナント)と言います。
  • 3つ目の『V』は、属和音(ドミナント)と言います。

長調だけでなく、短調でも同様です。

それぞれ解説していきます。

主和音(トニック)

主和音は、安定していて、ひと段落したような落ち着きを感じる和音です。

ト長調の場合
G
I
Am
II
Bm
III
C
IV
D
V
Em
VI
F#m-5
VII
イ短調の場合
A
I
Bm-5
II
C
III
Dm
IV
Em
V
F
VI
G
VII

下属和音(サブドミナント)

下属和音は、やや不安定だが、穏やかさもある和音です。

二長調の場合
D
I
Em
II
F#m
III
G
IV
A
V
Bm
VI
C#m-5
VII
ハ短調の場合
Cm
I
Dm-5
II
E♭
III
Fm
IV
Gm
V
A♭
VI
B♭
VII

属和音(ドミナント)

属和音は、不安定な響きで、トニックへ戻りたい力がある和音です。

ホ長調の場合
E
I
F#m
II
G#m
III
A
IV
B
V
C#m
VI
D#m-5
VII
ロ短調の場合
B
I
C#m-5
II
D
III
Em
IV
F#m
V
G
VI
A
VII

副三和音とは

ダイアトニックコードのうち、主要三和音以外の和音を副三和音と言います。

ハ長調の副三和音

副三和音に属する和音は、主要三和音のいずれかと構成音が近しくなります。
主要三和音と構成音が2音以上一致する和音は同じ機能を持ちます。

同じ機能の和音は、主要三和音の代わりとして働くため、代理和音とも言います。

以下はハ長調の場合の、和音機能です。

副三和音の機能

IIImは、場合によってトニック機能を持つ場合と、ドミナント機能を持つ場合があります。Iにも、Vに構成音が似ているためです。