「いい曲をつくる」「いい演奏をする」そのために音楽理論は必要でしょうか?
初心者・中級者とわずよく議論される「音楽理論いらない論争」。
結論から言うと、音楽理論は必ず必要なものではありませんし、音楽理論を熟知せずに売れたアーティストも確かに存在します。
ただし、音楽理論がいらなくても有名慣れた伝説的アーティストたちにはある共通点があると考えます。
音楽理論が「いるのか」「いらないのか」はっきりさせて、方向性を定めていきましょう。
音楽理論はいらないのか?
音楽理論がいらないと言われる理由は、音楽理論を勉強せずに売れているアーティストがいる事実があり、実際に自分も音楽理論を知らずとも演奏・作曲をできてしまうからでしょう。
ジミ・ヘンドリックスや桑田佳祐、SNSから人気を博したシンガーソングライターなど。音楽理論を知らなかったり楽譜を読めなかったりと話題になるアーティストです。
音楽理論を自ら学ばなくても成功できるという証拠にほかなりません。
そもそも、音楽理論とは過去の偉大な演奏を読み解くために後付け的に作られたものなので、それを使わずとも曲を作ることができます。
そのため、結論として「音楽理論を勉強しなくていい」と言えます。
ただ、なぜ音楽理論が無くても音楽を作れる・演奏できる人がいるのでしょうか。
この理由がわかれば音楽理論を学ぶメリットも見えてきます。
音楽理論を勉強していないのに曲が作れる理由
大昔、まだ『ドレミファソラシ』といった音階の考え方がなかった時、現代のJPOPのような音楽を作れたでしょうか?思いついたでしょうか。ほとんど不可能でしょう。
ではなぜ現代では、音楽理論を学ばずに作曲や演奏をすることができるのでしょうか。
この理由を知ると、音楽理論にが必要かそうでないか見えてきます。
- 知らない間に法則(音楽理論)を理解している
- 音楽理論を知らないアーティストのそばには音楽理論を知っている人がいる
実は知らない間に法則(音楽理論)を理解している
現代は、様々な音楽にあふれています。
それらの音楽は、音楽理論という解釈を重ね進化してきました。
そのため、私たちが聞く音楽には音楽的な法則が盛り込まれています。
この法則性は、感性で無意識に理解し自分の知識として落とし込みます。
これらの法則を材料とすることで音楽理論を学ばずとも作曲をすることができます。
要は、間接的に音楽理論を理解しているとも言えます。
無意識に法則(音楽理論)を活用しているシーン
- このコード進行なんかしっくりくる!
- サビは高いメロディーだと盛り上がるな!
- この音はなんか違和感がある!
- 繰り返すメロディーがなんだかキャッチ―!
材料の多さや、法則の無意識な理解度合の違いは、作曲のクオリティに影響します。
Aさんは、参考の牛丼から『ごはんと牛肉と塩と玉ねぎ』を使うアイデア(材料)を見つけた。
Bさんは、そこからさらに『酒・みりん・砂糖・しょうゆ』まで考えた。
もちろんAさんのアイデアで作る牛丼の方が失敗がなくおいしいこともある、だけどBさんの方が風味豊かでごはんが進む牛丼になる可能性があるよね。選択できる材料の多さとか、「この風味には酒が必要」みたいな法則理解の違いがクオリティに差を出すんだ。
音楽理論を知らないアーティストのそばには音楽理論を知っている人がいる
日本のアーティストでも、音楽理論を勉強せずに有名となった人はいます。
そういった方たちも先ほど解説したように、知らず知らずに音楽の法則をつかんでいます。
加えて、有名なアーティストの楽曲は音楽理論やアンサンブルに詳しいプロデューサーや音楽家、あるいはメンバーの手が加わ世に出ています。
たとえば桑田佳祐さんも、自身のアイデアを肉付けするメンバーの協力があって、すばらしい曲が出来上がっているようです。
最終的に、クオリティが高くキャッチ―で人に好まれる音楽となるまでには、音楽理論などの力が加わっているわけです。
そうでない場合。自分ひとりで素晴らしい音楽を作りたい場合は、音楽理論を学んでおいて良さそうだね。
音楽理論がいらない人の特徴
音楽理論を勉強しなくても素晴らしい音楽が作れてしまうアーティストには共通点があります。
音楽理論がいらない有名アーティストの特徴例
- 膨大な楽曲をコピーしている
- 聴いたものを理解し実現する音感
まず、音楽理論を学ばない分、言語を覚えるような勢いで音楽の法則、アーティストの特徴を理解する必要があります。
そのためには膨大なコピーや聴くことが必要です。
そして、聴いたものを理解し実現する音感も重要です。
例えば、音感がある人は、自分が「感動する」と感じたメロディーは、どんな音の間隔にあるのかを無意識的に理解し演奏することができます。
音感がある人は、説明を受けなくても音の法則性を理解することができるのです。
音感は歌うにも演奏するにも重要なスキルだからね!
音楽理論を勉強するリスクはある?
「音楽理論がいらない」という人は、音楽理論を勉強することで独創性がなくなってしまうことを恐れている傾向にあります。
プロのミュージシャンは天性の才能で楽曲を作り上げていると思っているからです。
音楽理論を学ぶリスク:独創性の邪魔になる
この「音楽理論を勉強すると独創性がなくなるリスク」は、正直存在します。
ただし、それは中途半端に音楽理論を学んだときに限ります。
音楽理論の勉強は、まず大原則的なところから始まります。
「キーCの楽曲はこのコードを使えます」のような。
そこからどんどん様々な解釈を学んでいきます。
そして最終的には、「音楽理論だすべてではない。音楽は自由」という現代的な発想に回帰します。
初期の大原則を学んだ段階で学びをやめると、ルールに固執しがちになります。
「この曲でその音使うのおかしくない?」とルールを作り出してしまうのです。
そのため音楽理論を学ぶにはいずれかのことに注意する必要があります。
音楽理論で独創性をなくさないための注意点
- 音楽理論がすべてではなく、結局音楽は自由というスタンスを忘れない
- 音楽理論の勉強を中途半端に終わらせない
音楽理論を学ぶメリット・デメリット
音楽理論は、「こういう時はこういう音を使いなさい」というようなルールの話ではありません。
先人のアイデアを(名曲にある法則)を根本から理解することで、「こうした表現を取り入れたい時にこういうアプローチも考えられる」という発想を学ぶことができます。
答えもヒントもない世界で、4分~5分の楽曲を完璧に思い通りに作り上げるのは至難の業ですが、音楽理論を知ると「この雰囲気にはこうしたアイデアが使えるかも」と検討を立てることができます。
加えて甘さとか、辛さとか根本の味付けに対するアイデアを理論的に導き出せるから、自分のアレンジ料理を簡単に作ることができる!
音楽理論の学び方
さて、肝心の音楽理論はどのように学んでいくのが正解なのでしょうか。
最初に学ぶ音楽理論を順序だてて紹介していきます。
- 音名や音程を理解する
- スケール(音階)を理解する
- キー(調)の概念を理解する(普段聞く音楽のほぼすべてに共通する基本!)
- コード(和音)のでき方を理解する、組み立てる(コード表で覚える必要がなくなる!)
- ダイアトニックコードを理解する(曲作りの軸になる考え方!)
- コードの機能を知り曲にする(音楽にストーリーが生まれる!)
- ドミナントモーションを使いこなす(音楽がドラマチックに!)
- 様々な調の関係性をしる(転調のアイデアが生まれる!)
- 転調とよくある転調法(転調について詳しく知る)
- ノンダイアトニックコードを理解する(曲作りの可能性が無限大に!)
まとめ
ここまでの内容をQ&A形式でまとめていきます。