マイナーコードとは?メジャーコードとの構成音、響きの違いは?

執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

コードの基本は、メジャーコードとマイナーコード。
二つを明確に理解できれば、多くの曲を理解・演奏できるでしょう。

今回は、マイナーコードを主体に解説いたします。

メジャーコードの違いについても解説いたしますが、メジャーコードについてより詳しくは『メジャーコードとは』をご覧ください。

マイナーコードとはどんなもの?

マイナーコードとは、根音(ルート)、根音から短3度の音、根音から完全5度の音で構成されるコードです。
例えば、Cを根音とする場合、C,E,♭G(ド,ミ♭,ソ)のコードがマイナーコードです。

鍵盤上のCマイナーコードの

サウンドも聞いてみましょう。

Cマイナーコード譜

感じ方は人それぞれですが、暗く、重々しい雰囲気を感じるのではないでしょうか。

メジャーコードは、対照的に明るく、楽しげな雰囲気を感じられます。
2つのコードの響きを聴き比べてみましょう。

メジャーとマイナーの比較

構成音

マイナーコードの構成音を再確認していきましょう。

マイナーコードは、根音(ルート)、短3度、完全5度の3つの音で構成されています。
主音から短3度までは、半音3つ。短3度から完全5度までは半音4つ分の音程となっています。

マイナーコード構成音の音程

コードの記号・書き方(コードシンボル)

コード譜で見る様な、『m』『maj』『+』『-』などの記号を、コードシンボルと言います。

マイナーコードの場合は、根音となる音名の後に『m』あるいは『-』をつけて表記します。

マイナーコードのコードシンボル

メジャーコードとの違い

マイナーコードとメジャーコードの違いは3度の音にあります。

マイナーコードは、根音・短3度・完全5度の音程からなるコードでした。
メジャーコードは、根音・長3度・完全5度の音程からなるコードです。

要は、「マイナーコードの短3度の音を半音上げればメジャーコードになる」と言えます。

メジャーとマイナーの違い

ピアノの場合

メジャーとマイナーの違い

ギターの場合

メジャーとマイナーの違い

たった1音の違いではありますが、聞こえ方は大きく異なります。
これを理解すると、コードの理解が格段に進む上に、1音の大切さに気づけます。

楽曲作りにおいての使いわけ

ここまで、それぞれのコードの印象を『マイナーコードは暗い』『メジャーコードは明るい』と言った簡単な表現しかしませんでした。

根底には、こうしたコード毎の性格の違いがあるのは確かなのですが、明るい曲にもマイナーコードがありますし、暗い曲にもメジャーコードは使われます。

会話をするには、単語だけでなく文章が必要です。
音楽では、コードだけでなくコード進行が必要です。

どんな単語を繋ぎ合わせるか。どんなコードを繋ぎ合わせるかで、全体的な印象は「明るい」「切ない」「希望」「失望」など、多様に異なります。

例えば、多くの人が『雨』に対し暗いイメージを捉えているとします。
雨単体では暗く感じるかもしれませんが、そこにコード進行のようなストーリーがあると一変します。
「長く続いていた雨がだったが徐々に晴れ間が出てきて、神々しい光が差し込んできた。」
となれば、希望感があり、一歩踏み出せるような明るい雰囲気を感じられます。

以下のコード進行には、「切ない感情」も垣間見えますが、決して「暗くは」ないのではないでしょうか。

マイナーコードとメジャーコードを織り交ぜたコード進行の例

コード進行を作る際は、コード単体の響きだけでなく、そのコードが文章の中でどんな働きを持つか考える必要があります。

コード進行について詳しくは、コード進行はどうやって作る?をご覧ください。

えるるん
『コード進行』ではその時の情景や感情を表現することができる。
そのコード進行内で使う『コード』はその感情の深度や、顔の表情、世界感の色味など、微細な表現ができる!そんなイメージを持っているよ!

まとめ

マイナーコードとメジャーコードの違いは、『3度の半音差』だけでした。

メジャーコードとマイナーコードを理解すれば、他のディミニッシュやオーギュメントも簡単に理解できます。

▼メジャーとマイナー

コード構成音
CC,E,G
CmC,E♭,G

▼メジャーとオーギュメント(5度の違い)

コード構成音
CC,E,G
CaugC,E,G#

▼マイナーとディミニッシュ(5度の違い)

コード構成音
CmC,E♭,G
CdimC,E♭,G♭