コード(和音)は、音楽の三大要素の一つです。
音楽をコードによって色づき、さまざまな情景、感情を表現できる様になります。
今回は、「コードとはそもそもなんなのか」といった初歩的な部分から、コードについて優しく解説していきます。
コード(和音)とは「音を同時に鳴らすこと」
コード(和音)とは、2つ以上の音を同時に鳴らしたものを言います。
例えば、ド(C)を一音だけ鳴らすと単音、ドとミを同時鳴らすとコードとなります。
ピアノの鍵盤で、てきとうに複数鳴らせば、それも和音と言えます。
いくつかのコードを聴いてみましょう。
いくつか聴いてみると、心地よい響きもあれば、濁りが強くて気持ち悪いような響きもあります。
音には相性があり、ただ無作為に組み合わせのるのはちょっと危険なことが分かります。
そのためコードは、基本的にその曲に使われるスケールの音を基本として作られます。
例えば、Cメジャーキーの曲であれば、Cメジャースケールの音を中心にコードを作ります。
それ以外の音が混じると、違和感を感じやすくなります。
具体的には、次の章で解説いたします。
トライアドとセブンスコード
前章で解説した通り、コードはスケールの音を中心に作られます。
その上で、ある音から1音飛ばしで3つ重ねると、基本的なコードができます。
これをダイアトニックコードと言います。
3つの音を重ねれば3和音(トライアド)、4つの音を重ねれば4和音(セブンスコード)と言います。
それぞれを詳しく解説いたします。
3和音(トライアド)
3和音をCメジャースケールで考えてみましょう。
例えば、最初の音『C』を軸に、一つ飛ばしで3つの音を重ねると『C,E,G』の3和音ができます。
7音それぞれが、ルート(根音)となるパターンが考えられますので、合計7つのコードが作れます。
こうしたルールでつくられるコードを、その楽曲のキーのダイアトニックコードと言います。
Cのダイアトニックコード(3和音)
ルート(基礎とする音) | 構成音(使われている音) | コードネーム(呼び方) |
---|---|---|
C | C,E,G | C(シーコード) |
D | D,F,A | Dm(ディーマイナーコード) |
E | E,G,B | Em(イーマイナーコード) |
F | F,A,C | F(エフコード) |
G | G,B,D | G(ジーコード) |
A | A,C,E | Am(エーマイナーコード) |
B | B,D,G | Bm-5(ビーディミニッシュ) |
4和音(セブンスコード)
4和音をCメジャースケールで考えてみましょう。
例えば、最初の音『C』を軸に、一つ飛ばしで3つの音を重ねると『C,E,G,B』の4和音ができます。
7音それぞれが、ルート(根音)となるパターンが考えられますので、以下7つのコードがダイアトニックコードになります。
Cのダイアトニックコード(4和音)
ルート | 構成音 | コードネーム |
---|---|---|
C | C,E,G,B | C(シーメジャーセブンスコード) |
D | D,F,A,C | Dm(ディーマイナーセブンスコード) |
E | E,G,B,D | Em(いーマイナーセブンスコード) |
F | F,A,C,E | F(エフメジャーセブンスコード) |
G | G,B,D,F | G(ジーセブンスコード) |
A | A,C,E,G | Am(エーマイナーセブンスコード) |
B | B,D,G,A | Bm-5(ビーマイナーセブンスフラットファイブ) |
マイナーコードとメジャーコード
コードには、マイナーコードとメジャーコードというものがあります。
その他のコードもありますが、この2つのコードが基本になります。
簡単な表現ではありますが、メジャーコードは明るい響きで、マイナーコードは暗い響きがします。
この違いは、コードの3度の音が、長3度か短3度かで決まります。
前章では、コードは「一つ飛ばしに音を重ねる」と簡単な説明をしましたが、ここでは音程差が重要です。
『度』とは音程を表す単位で、基準の音(この場合ルート)を1度としてカウントします。
詳しい解説は別の記事でしますが、上図の通り長3度の音程か、短3度の音程かで明暗が異なるのです。
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その他のコード
前章ではメジャーコードとマイナーコードについて解説しましたが、その二つを基礎として他にもさまざまなコードがあります。
add9(アドナインス)
addには「付け加える」という意味があります。
add9は、トライアドのコードに9th(ルートから2度の音)を付け加えたコードです。
sus4(サスフォー)
susには「吊るり上げる」といった意味があります。
sus4は、3度の音を完全4度に吊り上げたコードです。
例:Csus4,C7sus4
aug(オーギュメント)
augはaugmentの略で、「増加させる」といった意味があります。
augは、メジャーコードの5度を半音上げたコードです。
例:Caug,Caug7
dim(ディミニッシュ)
dimはdiminishの略で、「減少させる」といった意味があります。
dimは、マイナーコードの5度を半音下げたコードです。
dim7(ディミニッシュセブンス)
dim7は、dimコードに減7度を付け加えたコードです。
基本的に『7(セブンス)』がつくコードは、短7度か長7度を加えますが、dim7は例外的に減7度を加えます。
m7♭5(マイナーセブンスフラットファイブ,ハーフディミニッシュ)
m7♭5は、m7(マイナーセブンス)の5度を半音下げたコードです。
dim7と構成音が近いですが、減7度ではなく、短7度であることに注意が必要です。
dim7はdimコード作られ、m7♭5はm7コードから作られると考えると、間違えにくくなります。
omit(オミット)
omitには「省く」といった意味があります。
omitと書かれている場合は、指定した音を省略して演奏します。
指定は、omitの後に数字で書かれます。
例:Comit3,Comit5
コードはアンサンブルで作られる
Cコードは『C,E,G』で作られますが、演奏の中で、全ての楽器がここの音全て弾いているとは限りません。
バンドで言えば、ベースが一番低いルート音を弾いているので、ギターや鍵盤が必ずルート音を弾かなくても、全体でみるとコードとしてなりたつのです。
複数人との演奏(アンサンブル)では、それぞれの楽器が奏でる音が、全体で、どのコードとして成立しているのかを把握することも重要です。