addコードとは?susやomitコードと合わせて覚えよう

執筆者: エルエミュージックセオリーでは、楽典や音楽理論の分野に関わる情報を発信しています。これらは、楽曲の分析や作曲、演奏をする上で必要な知識で、より深く音楽を理解し解釈することができます。音楽学校をでたライターにより執筆を行い、適宜情報を修正しながら運営してまいります。

基本的なメジャーコード、マイナーコードに加えて、様々なコードタイプがあります。

コードの種類

コード表記ルート音Cでの例
メジャーM,major(トライアドは無表記○)C, Cmajor
マイナーm,minor,-Cm, Cminor
アドaddCadd9, Cadd11
サスsusCsus2, Csus4
オミットomitComit3, Comit5
シックス6C6
オーギュメントaug, +Caug, C+
ディミニッシュdim,  °Cdim, Cdim°
オンコードon, /ConE, C/G
テンションコード(テンションノートを記載)CM7(9), CM9, Cm11

※セブンスコード(『7』『M7』などの表記)についてはこちらをご覧ください。

今回は、addコードについて解説します。
加えて、susやomitについても理解していきましょう。

add(アド)コードとは?

addコードとは、トライアド(三和音)にある一つの音を追加したコードのことを言います。
『add』は英語で「追加する」「付け加える」といった意味の言葉で、『add』の後に記載された音をトライアドに追加します。
例えば、『Cadd9』であれば、Cメジャーコード(構成音C,E,G)にD音を追加したコードとなります。

Cadd9という表記の説明

 

『add』の前に音程を復習!

『add9』『add11』のように、『add』の後は追加する音を指定しています。
9や11といった数字は、音名ではなく、ルートから見た音程です

音程とは、「2つの音の距離がどれほど離れているか」表す言葉で、度数という数字で伝えることができます。

音程の図説

『Cadd9』の場合は、ルートCから見て、9度の音程にあたるDを追加することを指します。
音程について詳しくはこちらをご覧ください。

addコードの種類

『add9』や『add11』など、addの後ろにつく数字がつきます。
このパターンは以下の3つですが、ほとんど『add9』ばかりが使われます。

  • add9( = add2)
  • add11(= add4)
  • add13( = add6 = シックスコード)
えるるん
add2とadd9、add4とadd11など、=に繋いでいるのはほぼ同じコード(意味)であるから。
9,11,13の複音程を使う人、2,4,6の単音程を使う人、どっちもいるよ!
この使い分けについて度々議論されることがあるけど、今回は同じ意味と考えて話を進めよう!

add9(add2)

トライアドに9度の音を追加したコードです。

Cadd9の説明

add11(add4)

トライアドに11度の音を追加したコードです。

Cadd11の説明

add13(6thコード)

トライアドに13度の音を追加したコードです。
ただし、add13というコードを使うことは少なく、同じ構成音になるシックスコードがよく使われます。

13度は、要は6度の音と同じ音名です。
シックスコードは、あるコードに6度の音程を足したコードです。(例:C6 = C,E,G,A)

Cadd13の説明

 

テンションコードとの違い

テンションコードは、セブンスコードを基にしてさらに音を追加したコードのことを指します。

セブンスコードは不協和音程の7度の音が加わるため、トライアドに比べて濁りがあり、また安定感がありません。
そこにさらに加わるテンションという音は、緊張感をたかめ、ある意味では奥深さを生み出します。

addコードは、トライアドに音を加えたコードです。

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susコードとomitコードについて

『add』が理解できれば、他の『sus』や『omit』についても簡単に理解できるかと思います。
これから、コードの意味で迷うことがなくなるように、合わせて覚えてしまいましょう。

susコード

『add』は「加える」「付け足す」という意味を持ちます。
対して『sus(suspend)』には、「吊り上げる」という意味があります。

えるるん
susは、ある音を指定の音まで「吊り上げる(変える)」コードだね!
Csus4の説明

susコードには『sus2』と『sus4』があり、ある音を2度あるいは4度に吊り上げることになります。
なんの音を吊り上げるのかというと、コード構成音の3度の音になります。

コード構成音
CC, E, G
Csus2C, D, G
Csus4C, F, G
Cadd9C, E, G, D

omitコード

omitコードは、コードある音を省略したコードです。
例えば、『omit5』という指定であれば、コード構成音のうち5度の音を省略します。
同様に『omit3』は、コード構成音のうち3度の音を省略します。

Comit3の説明

コード構成音
CC, E, G
Comit3C, G
CM7omit5C, E, B
Cadd9C, E, G, D
えるるん
トライアドの3度が省略されたコードは、パワーコードともいうよ!

まとめ

addコードは、シンプルなトライアドに追加音を組み込むことで独特の響きを生み出すことができるコードです。
音楽理論を深める中で、このような多様なコードを学ぶことは、演奏や作曲の幅を広げる重要な要素となります。是非、様々な楽曲の中でaddコードやその他のコードを探し、その魅力を実感してみてください。