最近のJPOPでは、トライアド(3和音)のコードだけで作られているものは、比較的少ないでしょう。
セブンスコード(4和音)も当たり前の様に使われるコードで、作曲や演奏の上で欠かせません。
セブンスコードがどんなコードで、どの様に使われるのかを学習していきましょう。
セブンスコード(4和音)とは
セブンスコード(4和音)とは、スケールの音を一つ飛ばし(3度音程)で4つ重ねたコードです。
スケールのある一音を主音とし、3度・5度・7度の間隔で音が重なっています。
例えば、CメジャースケールのC音を主音とした場合、『C,E,G,B』の4音からなるCM7(シーメジャーセブンス)が作られます。
まずは、Cのトライアドとの響きを比べてみましょう。
ダイアトニックコード
基本的なスケールは7音なので、それぞれをルート(根音)とする7つのコードが考えられます。
これをダイアトニックコードと言います。
先ほどのCメジャースケールの例で考えてみましょう。
(主音であるCから順に書かれた、ローマ数字による記載はディグリー表記と言います。)
ディグリー | コードネーム | 構成音 |
---|---|---|
IM7 | CM7(シーメジャーセブンス) | C,E,G,B |
IIm7 | Dm7(ディーマイナーセブンス) | D,F,A,C |
IIIm7 | Em7(イーマイナーセブンス) | E,G,B,D |
IVM7 | FM7(エフメジャーセブンス) | F,A,C,E |
V7 | G7(ジーセブンス) | G,B,D,F |
VIm7 | Am7(エーマイナーセブンス) | A,C,E,G |
VIIm7-5 | Bm7-5 (ビーマイナーセブンスフラットファイブ) | B,D,F,A |
コードネームの表記(M7やm7)については、次の項目で解説します。
セブンス(4和音)のダイアトニックコードを一覧で確認したい方はこちらをご覧ください。
M7(メジャーセブンス)と7(セブンス)
前述のCメジャーのダイアトニックコードの様にセブンスコードには、大きく分けてM7(メジャーセブンス)と7(セブンス)の2つがあります。
この表記の違いは、7度の音が長7度か、短7度かの違いです。
Cメジャーセブンスは、ルートCから4音目Bまでの音程が長7度なのでメジャーセブンス。
Dマイナーセブンスは、ルートDから4音目Cまでの音程が短7度なのでセブンスです。
M7(長7度),m7(m7)の違いがわかれば、コードネームも理解できるはずです。
トライアドのコードに対して、長7度と短7度のどちらが足されているかで判別します。
▼例
- 『C』に長7度が足されると『CM7』
- 『G』に短7度が足されると『G7』
- 『Am』に長7度が足されると『AmM7』
- 『Bm-5』に短7度が足されると『Bm7-5』
セブンスコードの響きと音楽ジャンル
セブンスコードはトライアドコードと違ってどういった音の響きをするのでしょうか。
またどういったシーンでよく利用されるのでしょうか。
セブンスコードの響き
セブンスコードは地に足をついたトライアドコードに、不安定な第7音が加わるようなイメージです。
そのため、寂しげな雰囲気やふわふわとした印象を感じさせます。
- メジャーセブンス(寂しげで煌びやかなな雰囲気)
- マイナーセブンス(マイナーだけれど少し穏やかで哀愁を感じる)
- セブンス(非常に不安定で緊張感があり、能天気な明るさを感じる)
もちろん感じ方は人それぞれですし、コード進行しだいで雰囲気も変化します。
よく使われる音楽ジャンル
おしゃれな響きがするセブンスコードは、ジャズやR&Bなどでよく利用されます。
最近ではポップスでも頻出しますが、シティーポップといったジャンルでは特によく使われます。
山下達郎さんや松任谷由実がそういったジャンルに精通していて、ジャズに近いコードワークが見所です。
逆にロックのようなストレートな表現を必要とするジャンルでは、セブンスコードを多用すると雰囲気を損ねることがあります。
「おしゃれ」というと響きはいいですが、ただ使えばいいわけではないようです。